研究課題/領域番号 |
17590466
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研究機関 | 愛知県立看護大学 |
研究代表者 |
飯島 佐知子 愛知県立看護大学, 助教授 (80389890)
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研究分担者 |
坂梨 薫 横浜市立大学, 医学部・看護学科, 教授 (60290045)
安川 文朗 同志社大学, 技術企業国際協力センター, COEフェロー (90301845)
福田 敬 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 寄附講座教員(客員助教授) (40272421)
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キーワード | 臨床 / 経済政策 / 経営 / 看護 / 医療安全 / 費用 |
研究概要 |
1.研究目的 転倒・転落などの医療の有害事象の発生がもたらす経済的影響および安全対策に要する費用を明らかにする。また、病棟単位での人員配置および個々の患者への看護業務量と有害事象発生との関連を明らかにし、安全で良質な医療を提供するための看護人員配置について検討する。 2.方法 調査対象は、東京都(9病院)、神奈川(1)、静岡県(1)、愛知県(2)に所在する急性期病院の合計13病院の協力を得た。各病院の看護管理者または安全管理者に調査方法の説明を行い、病院長の承諾を得た。各病院の1〜6病棟において、病棟看護師長を対象に調査方法の説明を行い、病棟単位で調査を行った。調査期間は、2006年2月8日〜22日の2週間とした。 調査内容は、看護管理者、病棟看護師および財務課職員に以下の6種類の調査票へ記載を依頼した。 A 病院の概要、病院全体の安全管理に要する費用の調査:病床数、病棟数、設立主体、平均在院日数、延べ入院患者数、延べ外来患者数、転倒・転落患者数、誤薬・誤注射数、安全管理委員会の人数、年間活動日数、1回あたり活動時間、リスクマネージャーの人数、医療安全に関する集合教育の開催回数、集合教育に要する費用。 B 病棟での転倒防止対策に要する費用の調査:転倒防止のために使用している物品の種類、個数、購入価格など。 C 病棟の看護師人員配置、勤務交代:平均在院日数、病棟利用率、転倒・転落数、看護師数、超過勤務数、 D 病棟1日の重症者数調査:創傷処置実施患者数、蘇生術実施患者数、血圧測定実施患者数など。 E 転倒・転落チェックリスト(治療費用を含む)(転倒患者数分):年齢、疾患名、転倒リスクアセスメント、転倒防止対策の実施、転倒発生日、種類、場所、治療の有無。 F 入院患者一覧:年齢、性別、疾患名、入院日、退院日、転倒対策の実施数。 3.結果 調査票Aは9病院の記載があった。対象病院の病床数は、平均595床(最小97-最大1094)、転倒発生率は平均2.0/1000病日(2.9-1.4)、誤薬発生率は平均3.4/1000病日(1.2-5.4)であった。安全管理委員会に参加する委員数は、平均95人(24-184)、平均年間会議時間は79.9時間(30-205)であった。平均年間委員会費用は、573万円(84-1199)であり、1ベッドあたり平均9637円(5260-13200)、患者1人1日あたり平均29円(16-35)であった。安全管理に関する委員会活動に労務費を費やしている病院ほど、転倒や誤薬の報告数が多い傾向がやや見られた。
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