研究課題/領域番号 |
17590482
|
研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
庄司 優 弘前大学, 医学部, 助教授 (10226300)
|
研究分担者 |
保嶋 実 弘前大学, 医学部, 教授 (90142934)
杉本 一博 弘前大学, 医学部附属病院, 講師 (70271799)
|
キーワード | 遺伝子発現 / マイクロRNA / バソプレシン / CD34陽性末梢血液幹細胞 / マイクロアレイ |
研究概要 |
バソプレシン(AVP)に対する血小板反応性の個体差に関わる分子基盤を明らかにするため、本年度は以下の検討を行った。血小板産生細胞である巨核球の前駆体を採取し、そのAVP反応マイクロRNA(miRNA)の発現を解析した。抹消血液を300gで30分遠心して、単核球成分を濃縮した。この血液成分よりマグネティックビーズ法によりCD34陽性末梢血液幹細胞を分離採取し、トロンボポエチンにより巨核球へ分化誘導した。AVP(10^<-6>M、16時間)添加および無添加下の培養CD42陽性分化巨核球より、mirVana^<TM>miRNA Isolation Kit(Ambion)を用いてtotal RNAを抽出し、吸光光度計にて濃度および純度を確認した。その後flashPAGE^<TM>Fractionator(Ambion)およびflashPAGE^<TM>Reaction Clear-Up Kit(Ambion)を用いてmiRNAを濃縮・精製した。さらにmirVana^<TM>miRNA Labeling Kit(Ambion)を使用し、E.coliのpoly(A)Polymeraseと非修飾のヌクレオチドとアミン修飾されたヌクレオチドの混合物を用いてサンプル中のそれぞれのmiRNAの3'末端に20〜50塩基のテイルを付加し、アミン修飾されたmiRNAを精製して、アミンに対する反応性を持つ標識物質(Cy3およびCy5)にカップリングさせた。その反応産物をmirVana^<TM>miRNA Bioarrays(Ambion)とハイブリダイズさせ、スキャナーで取り込みmiRNAの発現の比較解析を行った。色素間差の補正はポジティブコントロールの蛍光比の算出により行い、両者のシグナル蛍光強度に2倍以上の差がある場合、有意な発現差があると判定した。AVP刺激時に比し非刺激時で発現が増強していたmiRNAは、hsa_let_7d、hsa_let_7e、hsa_miR_198、hsa_miR_99b、hsa_miR_98等であり、非刺激時に比しAVP刺激時で発現が増強していたmiRNAは、hsa_miR_199a、hsa_miR_302b_AS、hsa_miR_138、hsa_miR_373_AS、hsa_miR_380_5p等であった。これらのmiRNA群が血小板のAVP反応性に関わっている可能性が示唆された。
|