研究課題/領域番号 |
17590488
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
太田 浩良 信州大学, 医学部, 教授 (50273107)
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研究分担者 |
藤田 清貴 信州大学, 医学部, 准教授 (90313866)
佐野 健司 信州大学, 医学部附属病院, 講師 (50205994)
中山 淳 信州大学, 医学部, 教授 (10221459)
勝山 努 信州大学, 医学部, 教授 (90020809)
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キーワード | 胃炎 / 胃悪性リンパ腫 / ヘリコバクター・ハイルマニ / 病態解析 |
研究概要 |
H. heilmannii感染関連胃悪性リンパ腫発生過程の病理・病態の解析を目的に、遺伝子情報をはじめ、病態解析法の点で優れているマウスにH. heilmanniiを長期感染させることにより、胃悪性リンパ腫の動物実験モデルを作製して以下の研究を行った。 1.H. heilmannii感染ヒト胃粘膜からのH. heilmanniの回収とマウスでの継代: H. heilmanniiは培養が困難なため、感染ヒト胃粘膜から回収したH. heilmanniiはマウスで継代維持する必要がある。新たに収集した菌を加え,現在7菌株を維持している。 2.H. heilmanniiのタイピング: 16Sribosomal RNAおよびurease遺伝子の解析から,維持している菌株は1菌株を除き、いずれもtypelに属することが確認された。現在、帰属不明の1菌株について解析を進めている。 3.H. heilmannii感染関連悪性リンパ腫マウスモデルの作成: H. heilmannii感染ddyマウスの胃粘膜のホモジネートをBALB/cマウスに経口摂取させ感染モデルを作成した。感染後8週、26週、56週の時点で屠殺し、胃粘膜病変の病理組織学的検討を行った。H. heilmannii、T細胞、B細胞およびHighendothelial venule様血管(HEV)について免疫染色学的検討を行った。感染期間を通じて胃粘膜にはH. heilmannii感染が認められた。感染26週より、体部粘膜にリンパ濾胞及びHEVを認め、さらに56週ではMALTリンパ腫(2症例)と体部粘膜にリンパ濾胞及びHEVが認められた。H. heilmanniiがマウス胃粘膜に感染すると,粘膜固有層にHEV様血管が誘導され、胃粘膜へのリンパ球ホーミングが起こり、長期感染によりMALTリンパ腫が発生することが証明された。
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