研究課題
基盤研究(C)
H. heilmannii感染関連胃悪性リンパ腫発生過程の病理・病態の解析を目的に、遺伝子情報をはじめ、病態解析法の点で優れているマウスにH. heilmanniiを長期感染させることにより、胃悪性リンパ腫の動物実験モデルを作製して以下の研究を行った。1.H. heilmannii感染ヒト胃粘膜からのH. heilmannii回収とマウスでの継代:H. heilmanniiは培養が困難なため、感染ヒト胃粘膜から回収したH. heilmanniiはマウスで継代維持する必要がある。現在7菌株を維持している。2.H. heilmanniiのタイピング:16Sribosomal RNAおよびurease遺伝子の解析から,維持している菌株は1菌株を除き、いずれもtype1に属することが確認された。現在、帰属不明の1菌株について解析を進めている。3.H. heilmannii感染関連悪性リンパ腫マウスモデルの作成:H. heilmannii感染ddyマウスの胃粘膜のホモジネートをBALB/cマウスに経口摂取させ感染モデルを作成した。感染後8週、26週、56週の時点で屠殺し、胃粘膜病変の病理組織学的検討を行った。H. heilmannii、T細胞、B細胞およびHigh endothelial venule様血管(HEV)について免疫染色学的検討を行った。感染期間を通じて胃粘膜にはH. heilmannii感染が認められた。感染26週より、体部粘膜にリンパ濾胞及びHEVを認め、さらに56週ではMALTリンパ腫(2症例)と体部粘膜にリンパ濾胞及びHEVが認められた。H. heilamnniiがマウス胃粘膜に感染すると,粘膜固有層にHEV様血管が誘導され、胃粘膜へのリンパ球ホーミングが起こり、長期感染によりMALTリンパ腫が発生することが証明された。
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