研究課題/領域番号 |
17590490
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
小嶋 哲人 名古屋大学, 医学部, 教授 (40161913)
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研究分担者 |
松下 正 名古屋大学, 医学部附属病院, 講師 (30314008)
高木 明 名古屋大学, 医学部, 助手 (30135371)
山本 晃士 名古屋大学, 医学部附属病院, 講師 (90362251)
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キーワード | MYH9 / NMMHCA / 免疫染色解析 / 巨大血小板 / 欠失マウス / Alport徴候 / ノックイン / Cre-recombinase |
研究概要 |
・MYH9異常症の免疫蛍光解析による鑑別診断 我々は、これまで抗NMMHCA抗体を用いた免疫染色解析法によりMYH9異常症が疑われる先天性巨大血小板症の末梢血塗抹標本上における顆粒球細胞質内NMMHCA局在様式を解析し、その異常局在を報告してきた。今回は、6例についてNMMHCA異常局在を認め、細胞質内のNMMHCA局在様式から推測されるMYH9異常領域の塩基配列を決定したところ、全ての症例に遺伝子異常を同定できた。 ・MYH9(NMMHCA)欠失マウス解析 我々は、すでにgene-trap法にてMYH9遺伝子の破壊したNMMHCA欠失ヘテロマウスを得ている。今回、MYH9遺伝子欠失ヘテロマウス同士の交配解析では欠失ホモ体は妊娠早期に死亡・吸収され生まれてこないことが判明し、NMMHCAはマウス胎仔発育に不可欠な分子であることが推測された。また、ヘテロマウスのauditory brain stem response(ABR)の低下を6匹中2匹に認め、MYH9異常症に付随するAlport徴候に相当する表現型と思われた。 ・MYH9異常ノックインマウスの作成 今回、ノックイン・ターゲティングベクターは、R702C変異を導入したMYH9遺伝子を含む8kbとその5'側2kbをLoxP配列に挟まれたNeo耐性遺伝子の両側に配置し、さらにDTAとのポジティブ・ネガティブセレクションを用いて構築した。これをES細胞に導入してG418選択培養し、PCR・サザン解析にて相同組換え体を単離・同定。これをC57BL/6Jマウス胚盤胞に注入して仮親子宮に移植し、キメラマウスを作成した。来年度は、キメラマウスの交配によりヘテロマウスを作成し、さらにCre-recombinaseを恒常的に発現するCAG-Creマウスとの交配によりLoxP配列に挟まれたNeo遺伝子を切り出し、R702C変異MYH9マウスを作成して解析を行う予定である。
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