研究課題/領域番号 |
17590501
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研究機関 | 大阪医科大学 |
研究代表者 |
中西 豊文 大阪医科大学, 医学部, 助教授 (10247843)
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研究分担者 |
清水 章 大阪医科大学, 医学部, 教授 (00028581)
武内 徹 大阪医科大学, 医学部, 助手 (10330078)
村尾 仁 大阪医科大学, 医学部, 助手 (00278540)
後藤 功 大阪医科大学, 医学部, 講師 (90330084)
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キーワード | 癌プロテオミクス / 自己抗体 / 肺アデノカルシノーマ / 肺癌バイオマーカー / 2D-PAGE / α-エノラーゼ / ペルオキシレドキシン-6 |
研究概要 |
[はじめに] ヒトゲノム配列の解読の終了に伴い医学研究の方向は、ゲノム情報を活用した生命現象の解明、病気の治療、創薬など、ポストゲノム時代の研究へと移行している。90年代後半に登場したチップ技術&マイクロアレイ法などを利用した、DNA/RNA発現を解析するトランスクリプトーム解析が行われている。しかし、これら発現プロファイルと蛋白質の発現プロファイルは必ずしも一致せず、またその翻訳後修飾や立体構造をゲノム情報から読み取るのは難しい。更に、ゲノム情報を利用した相同性検索などからでは機能が推定できない蛋白質(Hypothetical Protein)が、全蛋白質の約半分近くもあると言われている。従ってプロテオーム解析は、生命現象の担い手として実際に機能している蛋白質自身を直接解析するという意味で、ポストゲノム時代の医学研究において重要な位置を占める。残念ながらプロテオーム解析の対象となる蛋白質は、ゲノム解析の手法のように増幅することができず、さらに通常、機能蛋白質などは微量であることが多いので、その解析には高感度、失敗の無い確実な解析法が要求される。本年度は、大阪医大第一内科学教室(呼吸器グループ)と共同で肺癌患者血清中に存在する自己抗体を標的とし、8種類の肺癌マーカー候補を見出した。 [方法] 培養ヒト肺癌細胞(A549:ヒューマンサイエンス振興財団(株))を可溶化緩衝液にて処理し蛋白試料を得た。50μg蛋白量を2次元電気泳動し、分離された蛋白質をPVDF膜に転写した。ブロッキング後一次抗体として500倍希釈ヒト血清(肺癌患者、肺結核患者、健常者)、二次抗体として2000倍希釈HRP標識抗ヒトIgG抗体(アマシャム・ファルマシア社製)を反応させ、ECLplusにて検出した。一方、ECL検出に対応するスポットを銀染色ゲルより切り出し、飛行時間型質量分析計UltraFlexにて分析し、得られた結果をデータベース検索し目的蛋白を同定する。 [結果] 肺癌患者血清中よりαエノラーゼ、シャペロニン、ペルオキシレドキシン-6など8種類の肺癌マーカー候補を見出した。
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