研究課題
基盤研究(C)
プロテオーム解析による高感度の蛋白同定法を用いてBehcet病患者血清中に存在する自己抗体より二次元電気泳動あるいは免疫沈降法を組み合わせて自己抗原を精製・同定し、疾患との関連性について検討した。まず、Behcet病患者20例の血清を用いて自己抗体を検出した。細胞株HEp-2可溶化成分を用い一次元および二次元電気泳動しPVDF膜に転写後、患者血清を用いウエスタンブロット(W-B)法にて自己抗体を検出した。対象として健常者血清および自己免疫疾患患者血清を用いた。その結果、対象にはない複数のバンドおよびスポットを認めた。次に、自己抗体が認識するタンパクの同定を行った。上記と同様の方法で泳動したゲルを蛋白染色し、二次元W-B法で得られた結果をもとにスポットを切り出しトリプシン消化後、質量分析にて解析した。その結果、スポットの一つはα-enolaseとannexin-Iを同定した。これらのタンパクは、これまでにBechet病の自己抗原として報告されており、それを追試した結果となった。他にも候補となるスポットがあり、現在その同定を試みている。さらに、免疫沈降法による自己抗原の精製も試みたが、質量分析で解析できる蛋白量が回収できなかった。そこで患者IgGを精製・固相化し、これを用いたカラムを作成し自己抗原を精製し、W-B法で確認した。その結果、二次元W-B法と同様の分子量のタンパクが精製できていることが確認できた。現在、この手法による自己抗原の精製・同定を試みている。今回の結果より、プロテーム解析による高感度の蛋白同定法を用い、Behcet病など自己免疫疾患患者血清中に存在する自己抗体の精製・同定に有用であることが分かった。しかし、自己抗体の量が少ないことや自己抗原に対する親和性が低いことなどから、すべて候補を研究期間内に同定できなかった。今後、検出感度の向上のために新たな手法の開発が必要である。
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J Chromatogr B (In press)
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