研究課題/領域番号 |
17590504
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研究機関 | 神戸薬科大学 |
研究代表者 |
小林 典裕 神戸薬科大学, 薬学部, 教授 (90205477)
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研究分担者 |
小山 淳子 神戸薬科大学, 薬学部, 講師 (60102109)
森田 いずみ 神戸薬科大学, 薬学部, 助手 (20299085)
加藤 芳徳 神戸薬科大学, 薬学部, 助手 (10368491)
後藤 順一 東北大学, 病院・教授 (80006337)
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キーワード | ハプテン / アクセプター / 複合体 / 抗体 / イムノセンシング / シクロデキストリン / 一本鎖Fvフラグメント / 抗体ライブラリー |
研究概要 |
生体内にはごく微量で重要な生理作用を発揮する低分子化合物(ハプテン)が多数存在するが、これらの体液中レベルを測定することは極めて重要である。しかし、ハプテンは分子サイズが小さいためサンドイッチ型の非競合型イムノアッセイを適用することは不可能で、このため測定感度はfemtomoleのレベルにとどまっていた。そこで、新しいコンセプトと手法の導入によるハプテンの高感度センシングシステムの開発に着手した。標的ハプテンをシクロデキストリン(CD)との包接錯体に導いたのち、錯体に特異的に結合する抗体一本鎖Fvフラグメント(scFv)を反応させることを原理として、ハプテンの非競合型イムノアッセイを構築するものである。まず、モデルハプテンとして25-ヒドロキシビタミンD_3、9-cis-レチノイン酸、フェノールフタレイン(PP)を選択し、これらがβ-CDと安定な包接錯体(K_a>1×10^3M^<-1>)を形成することを吸光光度法により確認した。そこで、β-CDとウシ血清アルブミンの結合体(CD-BSA)を固定化した試験管を調製して、これらハプテンを添加したのち、その相補性決定部にランダム変異が導入されたscFvを提示するファージ抗体ライブラリーを反応させて、包接錯体に特異的なクローンの選択(パンニング)を試みた。いずれのハプテンについても、4〜5回のパンニングの後に、CD-BSA固定化プレートを用い抗M13ファージ抗体で検出するELISAにおいて、ハプテン添加時に非添加時に比べて2〜4倍強いシグナルを与えるクローンが得られた。これらのうち、PPについて選択したクローンについては、PPの増量に応じたシグナル強度の増大が確認され、ハプテンの非競合型イムノアッセイが成立することが示された。
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