研究課題/領域番号 |
17590505
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
佐川 公矯 久留米大学, 医学部, 教授 (20140650)
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研究分担者 |
橋本 好司 久留米大学, 大学病院, 臨床検査技師 (30412480)
中田 一徳 久留米大学, 大学病院, 臨床検査技師 (40412481)
堀田 吏乃 久留米大学, 大学病院, 臨床検査技師 (30425227)
川崎 勝也 久留米大学, 大学病院, 臨床検査技師 (60412483)
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キーワード | ビブリオ・バルニフィカス / Vibrio vulnificus / 有明海 / 溶血活性 / パルスフィールド・ゲル電気泳動 / チオ尿素 / 酵素活性 / 輸入魚介類 |
研究概要 |
我々は有明海の海水、干潟汚泥、および魚介類のビブリオ・バルニフィカスの汚染状況を2001年より4年間、調査研究し、以下のことが判明した。(1)有明海には通年ビブリオ・バルニフィカスが生息している。(2)6月から10月にかけて特に増加する。(3)溶血活性が強い強毒株と弱い弱毒株との2種類があり、夏期に分離されるのは強毒株が多い。また、冬季に分離されるのは弱毒株が多いが、少数の強毒株も含まれている。(4)年間を通じて有明海周辺の環境はビブリオ・バルニフィカス感染症発生の危険性を有している。 以上の研究成果を基にして、2005年からの3年間、以下に述べる目的で研究を行う。(1)ビブリオ・バルニフィカスの溶血活性以外の毒性を解析する。(2)種々の毒性因子の中から、ビブリオ・バルニフィカス感染症の診断に役立つ毒性因子を見出したい。(3)ビブリオ・バルニフィカス感染症の臨床検査法を確立する。 まず、久留米大学医学部附属病院臨床検査部細菌検査室で保存している約80種類のビブリオ・バルニフィカス菌株の中から、強毒株と弱毒株を数株ずつ選び、それらを液体培養し、その培養濾過液を解析している。まず、種々の酵素活性を測定し、そして、強毒株および弱毒株の酵素活性プロフィールを作成する。最終的に、強毒株と弱毒株の酵素活性での差を確認する作業を行っている。 なお、この研究中に、外国産の冷凍タイラギの貝柱を生で食べたことが原因と思われるビブリオ・バルニフィカス感染症患者を経験した。現在、輸入された外国産の魚介類のビブリオ・バルニフィカス汚染の実態調査研究を実施している。今までに、中国産アサリ90個中、2個にビブリオ・バルニフィカス弱毒株が検出された。また、フィリピン産エビ(Black tiger)30尾中10尾に弱毒株が、2尾に強毒株が検出された。今後は調査研究の範囲と数を増加させる予定である。
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