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2005 年度 実績報告書

リラキシンおよびリラキシンC-ペプチド検出系の確立と卵胞生育機構の研究への応用

研究課題

研究課題/領域番号 17590506
研究機関福岡大学

研究代表者

立石 カヨ子  福岡大学, 医学部, 助教授 (60179728)

研究分担者 衣笠 哲史  福岡大学, 医学部, 助手 (90279266)
安東 勢津子  福岡大学, 理学部, 助手 (20078562)
キーワードリラキシン / リラキシンC-ペプチド / 卵胞発育 / リラキシン受容体 / LGR7 / ヒト初期卵胞
研究概要

リラキシン(RLX)は妊娠ホルモンのひとつとして発見されたが、その作用部位は生殖器官のみならず、脳や心臓にも見いだされ、その多才な役割が注目されている。従って、RLXを検出するための抗体が必要とされている。RLXはインスリンと構造が似ており、S-S結合でつながったA鎖とB鎖からなり、A鎖内にS-S結合を持ち、前駆体のプロRLXからC-ペプチドがはずれて出来上がる。そのために、RLXのフラグメントでの免疫によりRLXを認識できる抗体を作製することは困難であった。一方、組織には半減期がRLXよりも長いプロRLXが有意に存在する。それ故に、RLXの組織内局在を検出するために、抗ヒトRLXのC-ペプチド抗体を作製し、これを1次抗体として用いた免疫組織染色法を確立した。抗C-ペプチド抗体は大腸菌で発現させたヒトプロRLXのC-ペプチド鎖をウサギに免疫して作製した。我々はヒト卵胞皮質切片の培養実験により、RLXが初期段階の卵胞の発育促進作用を有することを見つけた(J Clin Endocrinol Metab 90:516,2006)。そこで、この抗体を初期段階のヒト卵胞におけるRLXの局在の検討に応用した。原始卵胞、1次卵胞と2次卵胞の卵及び顆粒膜細胞に染色が認められた。一方、RLX受容体であるLGR7の卵胞における局在はin situ hybridizatonと免疫染色により検討した結果、ヒト原始卵胞の扁平な顆粒膜細胞、さらに1次、2次卵胞の顆粒膜細胞に存在が認められた。これらの結果から、RLXがヒトの卵胞発育の初期段階でその受容体を介して、オートクリン及びパラクリン機構で作用している事がはじめて明らかにされた。このようにして、RLXはヒト原始卵胞の成熟開始因子の一つである可能性を明らかにした。本研究で得られた抗RLX C-ペプチド抗体はヒトとブタにおけるRLX産生の局在の検討に有用であった。

  • 研究成果

    (12件)

すべて 2006 2005

すべて 雑誌論文 (12件)

  • [雑誌論文] Synthesis and Biological Activities of Indolicidin Analogs2006

    • 著者名/発表者名
      Setsuko Ando
    • 雑誌名

      Fukuoka Univ Sci Rep 36(in press)

  • [雑誌論文] Targeting of cancer gene therapy with antibodies or their genes against tumor-associated antigens2005

    • 著者名/発表者名
      Masahide Kuroki
    • 雑誌名

      Gene Ther Mol Biol 9(A)

      ページ: 107-112

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] タイトジャンクション(TJ)関連タンパク質の基礎と臨床2005

    • 著者名/発表者名
      衣笠哲史
    • 雑誌名

      福岡大医学紀要 32・4

      ページ: 167-172

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] Synthesis and Radical Polymerization of A Styrene Derivative Bearing an Alanyl Ester2005

    • 著者名/発表者名
      K.Matsubara
    • 雑誌名

      Fukuoka Univ Sci Rep 35

      ページ: 25-31

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] Synthesis and Biological Activities of Indolicidin Analogs (II)2005

    • 著者名/発表者名
      Setsuko Ando
    • 雑誌名

      Peptide Science 2004

      ページ: 275-278

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] Early human preantral follicles have relaxin and relaxin receptor(LGR7) and relaxin promotes their development2005

    • 著者名/発表者名
      Kyoko Shirota
    • 雑誌名

      J Clin Endocrinol Metab 90・1

      ページ: 516-521

  • [雑誌論文] Relaxin-induced angiogenesis in ovary contributes to follicle development2005

    • 著者名/発表者名
      Kyoko Shirota
    • 雑誌名

      Ann N Y Acad Sci 1041

      ページ: 144-146

  • [雑誌論文] ヒト初期発育卵胞におけるリラキシンの卵胞成熟作用2005

    • 著者名/発表者名
      城田京子
    • 雑誌名

      日本不妊学会雑誌 50・4

      ページ: 146

  • [雑誌論文] Production of anti-human relaxin C-peptide antiserum and its application to immunocytochemical analysis for localization of relaxin in the human ovary2005

    • 著者名/発表者名
      Kayoko Tateishi
    • 雑誌名

      Clin Chem 51・6 suppl

      ページ: A288

  • [雑誌論文] 胃癌患者血清中におけるCEACAM6値およびCEA値の比較検討2005

    • 著者名/発表者名
      衣笠哲史
    • 雑誌名

      日本分子腫瘍マーカー研究会雑誌 20・1

      ページ: 50-51

  • [雑誌論文] 広範囲血液・尿化学検査・免疫学的検査-その数値をどう読むか XII.-腫瘍マーカ-癌胎児性抗原(CEA)2005

    • 著者名/発表者名
      衣笠哲史
    • 雑誌名

      日本臨床 63・増刊8

      ページ: 632-634

  • [雑誌論文] Histochemical characteristics of soleus muscle in angiotensin-converting enzyme gene knockout mice2005

    • 著者名/発表者名
      Zhang B
    • 雑誌名

      Hypertens Res 28

      ページ: 681-688

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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