研究課題
基盤研究(C)
近年急増している乳癌、子宮体癌等の女性生殖器系のがんに環境化学物質が関与する可能性が指摘され、緊急かつ重大な社会問題となっている。近年、アルコール摂取が食道癌、肝癌のみならず、乳癌のリスクを増大させることが明らかになってきた。本研究では、アルコールの摂取により生体内に生成することが知られているsalsolinol(Sal)に注目し、そのDNA損傷性と乳腺細胞増殖活性について検討した。Sa1はCu(II)あるいはFe(III)EDTA存在下で酸化的にDNAを損傷した。一方、エストロゲン受容体を有するヒト乳癌由来細胞MCF-7での細胞増殖活性が認められ、また、エストロゲンアンタゴニストの共存下では増殖が抑制されたことから、Salのエストロゲン活性が明らかになった。さらに、Sa1はヒト正常乳腺上皮細胞MCF-10Aでも細胞増殖作用を示し、抗酸化物質N-アセチルシステインによって増殖活性の低下が認められたことから、活性酸素を介する細胞増殖の経路があることが示された。アルコール関連物質であるSa1は、酸化的DNA損傷性と乳腺細胞増殖活性を併せ持つことが明らかになった。したがって、Sa1がアルコールの乳癌発症における発がんのイニシエーションとプロモーションに関与する可能性が示唆された(投稿中)。また、植物ポリフェノール・プロシアニジンB2(Free Radic.Biol.Med.39,1041-1049,2005)、大気汚染物質3-nitrobenzanthrone(FreeRadic.Biol.Med.40,1242-1249,2006)、毛髪染料であるortho-phenylenediamine類(Mutat.Res.607,184-191,2006)による発がん機構に酸化的DNA損傷が関与する可能性を明らかにした。
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