研究課題
本研究では職域において約200人の健常者の連続三年間のライフスタイルの変化と末梢血白血球ゲノムDNA安定性の変化の関連性を追跡調査することを目的とする。3ヵ年計画の第2年次である平成18年度の研究概要は以下の通りであるインフォームドコンセントが得られた164人の男性従業員(20〜60歳)に対し自記式質問紙を用いて調査を行った。調査内容は年齢、身長、職種、喫煙・飲酒・栄養バランスなどの生活習慣状況、既往歴、現病歴、投薬状況、家族病歴等であった。ライフスタイルは森本の八つの健康習慣指数(HPI)を用いてで評価した。良好なライフスタイルを有する対象者は57人(34.7%)、ライフスタイル中庸の対象者は77人(47.0%)、ライフスタイル不良の対象者は30人(18.3%)であった。ライフスタイルの詳細な内容について以下の通りである。(1)現在喫煙者53人(32.3%)、平均喫煙本数20.4±9.6(標準偏差)、平均喫煙年数27.5±8.3(標準偏差)。(2)ほぼ毎日飲酒している者56人(34.1%)。(3)ほとんど運動しない人者78人(47.6%)。(4)睡眠時間7時間未満の者109人(66.5%)。(5)一日9時間以上の勤務者71人(43.3%)。(6)ストレス多いと感じている者52人(31.7%)。(7)6ヶ月前と比較して、体調がよくなったと回答した者10人(6.1%)、悪くなったと回答した者20人(12.2%)。各被験者より5ml-10mlの血液を採集し、SCG(Single-cell gel electrophoresis)法でBaseline DNA損傷量を測定した。損傷量を表すTail momentの分布は0.34-4.09、平均値は1.12±0.34(標準偏差)であった。ブレオマイシン(0.5μg/mL x 30 min、4℃)誘発DNA損傷量(Tail moment)の分布は5.29-11.32、平均値は7.93±1.24(標準偏差)であった。DNA修復後(37℃ x 5min)のTail momentの分布は0.72-4.31、平均値は1.94±0.81(標準偏差)であった。200人のDNAを抽出した。うちに、164人のXRCC1遺伝子多型(194(C/T)、280(G/A)、399(G/A))の測定が完成した。第三年次中、対象者の生活習慣、DNA損傷量とDNA修復能を追跡し、XRCC1、CYP1A1遺伝子多型などについての測定及び全データの解析を行う予定である。
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