研究課題
本研究では職域において約200人の健常者の連続三年間のライフスタイルの変化と末梢血白血球ゲノムDNA安定性の変化の関連性を追跡調査することを目的とする。3ヵ年計画の第3年次である平成19年度の研究概要は以下の通りである。インフォームドコンセントが得られた182人の男性従業員(23〜59歳)に対し自記式質問紙を用いて調査を行った。調査内容は年齢、身長、職種、喫煙・飲酒・栄養バランスなどの生活習慣状況、既往歴、現病歴、投薬状況、家族病歴等であった。ライフスタイルは森本の八つの健康習慣指数(HPI)を用いてで評価した。良好なライフスタイルを有する対象者は73人(41.1%)、ライフスタイル中庸の対象者は78人(42.9%)、ライフスタイル不良の対象者は31人(17.0%)であった。ライフスタイルの詳細な内容について以下の通りである。(1)現在喫煙者57人(31.3%)、平均喫煙本数19.2±8.5(標準偏差)、平均喫煙年数23.9±11.6(標準偏差)。(2)ほぼ毎日飲酒している者45人(24.7%)。(3)ほとんど運動しない人者88人(48.4%)。(4)睡眠時間7時間未満の者126人(69.2%)。(5)一日9時間以上の勤務者77人(42.3%)。(6)ストレス多いと感じている者52人(28.6%)。(7)6ケ月前と比較して、体調がよくなったと回答した者7人(3.8%)、悪くなったと回答した者26人(14.3%)。各被験者より5ml-10mlの血液を採集し、SCG(Single-cell gel electrophoresis)法でBaseline DNA損傷量を測定した。損傷量を表すTail momentの分布は0.37-1.94、平均値は0.98±0.21(標準偏差)であった。ブレオマイシン(0.5μg/mLx30 min,4℃)誘発DNA損傷の修復後(37℃x 30 min)のTail momentの分布は2.75-10.21、平均値は6.08±1.64(標準偏差)であった。200人のALDH2、XRCC1の測定が完成した。180人の網状白血球小核を測定した。
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