• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2007 年度 実績報告書

腸球菌における消毒剤耐性遺伝子の同定とその浸淫状況の解明

研究課題

研究課題/領域番号 17590521
研究機関札幌医科大学

研究代表者

小林 宣道  札幌医科大学, 医学部, 教授 (80186759)

研究分担者 石埜 正穂  札幌医科大学, 医学部, 准教授 (30232325)
鷲見 紋子  札幌医科大学, 医学部, 講師 (10363699)
長嶋 茂雄  札幌医科大学, 医学部, 助教 (60433116)
キーワード腸球菌 / 消毒済 / 耐性遺伝子 / 分子疫学 / 浸淫状況 / 型別
研究概要

本研究の目的は院内感染起因菌として重要な腸球菌における消毒剤耐性に関与する遺伝子を同定し、それら耐性菌の疫学的特長を明らかにすることである。研究対象として、1997年から2007年までに札幌医科大学附属病院において分離された約1100株、2003年に中部地方の大学病院で分離された39株、海外の共同研究機関で分離された78株を対象とした。腸球菌の多剤排出蛋白EfrA, EfrB, EmeA, QacHの各遺伝子の存在をPCRによって検出したところ、emeA, efrBは調べたE. faecalisのすべてに検出された。これら2菌種を含め、いずれの菌種にもqacHは検出されなかった。またefrA, efrB, emeAはE. faecalis, E. faecium以外の菌種には認められなかった。efrA, efrBはABCトランスポーター型の多剤排出ポンプをコードするが、腸球菌E. faeciumの遺伝子解析により、このタイプの多剤排出ポンプ様蛋白は他に少なくとも他に4種類あることが判明した。それらはEfrA, EfrBの約半分の大きさ(268-301アミノ酸)であり、ABC-S1,ABC-S2,ABC-S3,ABC-S4と暫定的に命名した。いずれの蛋白もABCトランスポーターに特徴的なモチーフを有していた。ABC-SlとABC-S2の遺伝子は隣接して位置しており、それらの配列は互いに遺伝学的に類似していた。一方ABC-S3とABC-S4の遺伝子は近くに位置するものの、配列は大きく異なっていた。ABC-S1-ABC-S4遺伝子はE. faeciumに検出されたが、類似の遺伝子は同じEnterococcus属の菌種やCarnobacterium, Streptococcusのいくつかの属にもあることがわかり、一部のグラム陽性菌に広く分布しているものと考えられた。efrA, efrBはLactobacillusにおいて知られるLmrAと同じグループに入るが、遺伝学的に近縁な遺伝子は今のところ他の菌種には見られておらず、種特異性が高いと考えられた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2008

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Diversity of staphylocoagulase and identification of novel variants of staphylocoagulase gene in Staphylococcus aureus.2008

    • 著者名/発表者名
      Kinoshita M, et. al.
    • 雑誌名

      Microbiology and Immunology (印刷中)

    • 査読あり
  • [学会発表] 腸球菌におけるバンコマイシン低度耐性遺伝子vanCの多様性.2008

    • 著者名/発表者名
      渡邊祥二郎
    • 学会等名
      第81回日本細菌学会
    • 発表場所
      京都国際会議場
    • 年月日
      2008-03-26

URL: 

公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi