研究課題
基盤研究(C)
A549ヒト肺胞上皮細胞において、5価バナジウムであるメタバナジン酸ナトリウム(NaVO3)の曝露濃度(10-200μM)および時間(8-48hr)に依存して、リン酸化型p53セリン15および総p53蛋白量の増加を認めた。NaVO3曝露(100μM、48hr)細胞抽出液よりp53蛋白を免疫沈降後、各セリン残基のリン酸化を検討した結果、セリン15部位のリン酸化が最も顕著であった。オルトバナジン酸ナトリウム(Na3VO4)およびメタバナジン酸アンモニウム(NH4VO3)曝露でもp53セリンリン酸化および総p53蛋白量の増加が認められた。NaVO3曝露によりextracellular signal-regulated protein kinase(ERK)のリン酸化が認められたが、ERK経路阻害剤UO126処理では、p53セリン15のリン酸化は抑制されなかった。一方、phosphatidylinositol 3-kinase related kinases(PIKKs)阻害剤wortmanninあるいはcaffeine処理、およびRNA干渉によるataxia telangiectasia mutated(ATM)ノックダウンでは、 NaVO_3曝露によるp53セリン15リン酸化が抑制された。過酸化水素消去剤catalaseおよび抗酸化剤N-acetylcystein処理では、p53セリン15リン酸化抑制は認められなかった。S15A変異型p53導入A549細胞では野生型導入細胞に比し、NaVO_3曝露によるp53-DNA結合活性上昇とDNA断片化は軽度に低下したことから、バナジウム曝露によるこれらの細胞応答にはp53セリン15部位リン酸化以外の関与もある。以上、A549細胞における5価バナジウム曝露は、PIKKファミリーに属するATMに依存したp53セリン15のリン酸化を生じる。さらに、アクリルアミドを曝露したSH-SY5Y細胞および亜鉛を曝露したA549細胞においても、バナジウム曝露と同様なp53蛋白セリン15のリン酸化を認めた。また、カドミウムを曝露した近位尿細管細胞において、転写制御因子STATのセリン727部位リン酸化も認めた。
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