研究課題/領域番号 |
17590528
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研究機関 | 三重短期大学 |
研究代表者 |
伊藤 貴美子 三重短期大学, 生活科学科, 助教授 (90369611)
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研究分担者 |
村田 真理子 三重大学, 医学部, 教授 (10171141)
平工 雄介 三重大学, 医学部, 講師 (30324510)
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キーワード | 抗酸化健康食品 / コエンザイムQ10 / 遺伝子損傷 / 8-hydroxydeoxyguanosine |
研究概要 |
多くの病気や病態において酸化ストレスの関与が示唆されるようになり、この酸化ストレスから生体を防御する抗酸化物の役割に関心が高まっている。特に食物由来の抗酸化物は安全性が高いとみなされ、いわゆる健康食品として安易に摂取される傾向にある。しかし、特定の抗酸化物を多量に摂取する有効性・安全性については未だ科学的根拠に乏しく、抗酸化物を利用する際には、生体内の酸化ストレス状態にどのような影響を及ぼすかを注意深く解析することが極めて重要である。本研究は、健康食品のなかでも最近特に関心の高いコエンザイムQ10(CoQ10)を中心に、遺伝子損傷性を指標として生体内酸化ストレスに及ぼす影響を明らかにすることを目的とした。本年度は特に、酸化ストレスバイオマーカー8-hydroxydeoxyguanosine(8-OHdG)による、CoQ10のヒト短期介入試験を実施した。対象者は三重大学の倫理委員会で承認された文書により同意を得た20歳代の健常ボランティア30名で、無作為に2群に分け、市販CoQ10含有サプリメントを1日2錠(60mg)、3週間ずつ摂取するクロス実験をおこなった。両群とも摂取期と対照期に尿をそれぞれ3回採取した。得られた尿試料は、プレカラムを接続したHPLC-ECDにより8-OHdGを定量し、同時にクレアチニン量の測定をおこない8-OHdG量を補正した。併せて生活習慣に関するアンケート調査を実施した。現在結果の解析を進めているが、尿中8-OHdG/Cr値は摂取期で有意に低下する傾向を示している。今後更に生活習慣と尿中8-OHdGの関連性についても検討したのち、投稿の予定である。また、単離DNAを用いた解析では、還元型CoQ10が金属イオン存在下で用量依存的に酸化的DNA損傷を引き起こすことを確認した。
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