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2005 年度 実績報告書

遺伝子改変動物を用いたグリコール誘導体の生殖障害の発生機序の解明

研究課題

研究課題/領域番号 17590529
研究種目

基盤研究(C)

研究機関独立行政法人産業医学総合研究所

研究代表者

王 瑞生  独立行政法人産業医学総合研究所, 有害性評価研究部, 主任研究官 (10321895)

研究分担者 本間 健資  独立行政法人産業医学総合研究所, 企画調整部, 部長 (90332402)
須田 恵  独立行政法人産業医学総合研究所, 健康障害予防研究部, 研究員 (90415969)
キーワードグリコール誘導体 / エチレングリコールモノエチル / 生殖毒性 / ALDH2遺伝子 / ノックアウトマウス / 精子運動能
研究概要

平成17年度は、代表的なグリコール誘導体の一つであるエチレングリコールモノエチルエーテル(EGEE)の生体毒性およびその機序について検討した。EGEEは体内でアルコール脱水素酵素などによってエトキシアセトアルデヒド(EA1d)に変換され、さらにアルデヒド脱水素酵素(ALDH)によってエトキシ酢酸(EAA)に代謝される。EGEEが生殖毒性を有するが、それがEAAによるものか、または中間代謝物質のEA1dも関与しているかについて定かではなく、生殖障害の発生機序はまだ不明である。
EGEEの体内代謝に重要な役割を果たしているALDH2遺伝子のノックアウトマウスおよびワイルドタイプのマウスにEGEEを投与して、生体影響や体内代謝の差などについて解析した。EGEEを100、と600mg/kg体重の用量でマウスに7日間投与後、生殖関連臓器重量の変動、血液細胞数やヘモグロビン量への影響は、いずれの用量群においても、両マウスの間に差がなかった。しかし、輸精管の精子の運動率や前進性精子の比率は、高いEGEE用量群において、ワイルドタイプとノックアウトマウスの間に有意な差が認められた。つまり、精子の運動能へのEGEE投与の影響がワイルドタイプマウスにおいてノックアウトマウスより顕著であった。EGEE投与前および投与後の1、2、4、7日目の24時間尿を収集して、尿中EGEE代謝物EAAを定量した。投与前は、いずれのマウスの尿中からも微量のEAAが検出されたが、同程度であった。投与後1、2と4日の尿中EAA量はほとんど同程度であった。7日目の尿中EAA量の平均値は、低い用量では、ワイルドタイプマウスにおいてノックアウトマウスの3倍以上、また高い用量においても、約倍ぐらい高かった。しかし、個体差が大きかったため、統計的には有意差がなかった。
以上の結果は、A1db2遺伝子がEGEEの体内代謝およびその生殖毒性に影響を与える可能性を示唆した。EGEE投与期間や生体試料の採集間隔などを変えて、さらに実験を行ったが、現在解析中である。

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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