研究課題/領域番号 |
17590530
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
翠川 薫 三重大学, 大学院・医学系研究科, リサ-チアシエイト (20393366)
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研究分担者 |
翠川 裕 鈴鹿医療科学大学, 保健衛生学部, 准教授 (10209819)
中村 哲 国立国際医療センター研究所, 適正技術開発・移転研究部, 室長 (40207874)
村田 真理子 三重大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (10171141)
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キーワード | アルツハイマー病 / 生活習慣病 / 開発途上国 / 認知症 / 東南アジア / ラオス |
研究概要 |
先進国で深刻な問題となっている認知症を始めとする様々な生活習慣病の解明のために、その現状がまだ明らかとなっていない開発途上国における調査研究を行い発症メカニズムを解明する事を本研究の目的としている。開発途上国であるラオスは近年、経済発展が進む中で糖尿病、アルコール中毒、高血圧等の生活習慣病が増加する傾向にあることが、本研究の調査により明らかになってきた。19年度は9月に国立マホソート病院の協力を得て、ラオス人医師およびスタッフとともにヴィエンチャン近郊の農村において、住民の生活習慣病に関する健康調査を実施した。また、インフォームドコンセントを得られた参加者から血液採取を行いラオ族におけるアルツハイマーの危険因子であるAPOE遺伝子解析を行った。また20年3月には南部の少数山岳民族における健康調査も同様に行った。これらの調査から首都近郊農村部ではBMI25以上の肥満が31.5%,高血圧者が33.9%、糖尿病が強く疑われる者5.6%、メタボリックシンドローム予備群と判断されるものが18.5%も確認され、途上国において予想を上回る速さで生活習慣病が蔓延してきていることが明らかとなった。これらの研究成果は急速に経済発展を遂げつつある途上国住民の健康を守る上で大変重要であり、保健省と住民へのフィードバックが意義あるものと考える。将来的に先進国同様にアルツハイマーが増加する可能性も予想される事から、今後も引き続き病院と協力し生活習慣病に関する住民意識を高めると共に、APOE遺伝子解析に十分なデータの蓄積を行い少数民族およびラオ族における認知症の発症の危険性および発症メカニズムを解明していく予定である。本年度の研究成果は平成19年9月ラオスの「The First lnternational Health Research Forum for Public Health Development」及び、平成20年3月の第78回日本衛生学会総会で発表した。
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