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2006 年度 実績報告書

母体の甲状腺ホルモン阻害による次世代脳神経行動障害の解明

研究課題

研究課題/領域番号 17590531
研究機関北海道大学

研究代表者

和田 博美  北海道大学, 大学院文学研究科, 教授 (90191832)

キーワード甲状腺ホルモン / ラット / 行動分析 / 注意障害 / 衝動性 / ADHD / 環境ホルモン
研究概要

【目的】ADHDの原因として環境ホルモンの影響が指摘されている。なかでもPCBやダイオキシンは甲状腺ホルモンを阻害し、脳の発達障害を引き起こす。そこで親ラットに甲状腺ホルモン阻害剤を投与し、仔ラットに注意障害や衝動性が生じるか検討した。
【方法】メチマゾールを飲料水に混入し、妊娠15日〜出産後21日まで親ラットに投与した。濃度は0.02%(高濃度)、0.002%(低濃度)、0%(統制群)であった。仔ラットを21日目に離乳させ、注意障害を検証するため、オペラント実験箱でターゲット検出訓練を行った。ITI10秒の後にターゲット(光)が点灯し、制限時間内にレバーを押すとエサを与えた。制限時間は16,8,4秒であった。次にいつターゲットが点灯するか予測できないように、ITIを10,17.4,30,52.5秒でランダムに変化させた。衝動性を検証するために、オペラント箱でDRL20秒の訓練を行った。この訓練では、直前の反応から20秒以上経過した反応にのみエサを与えた。
【結果と考察】
(1)高濃度群はオス、メスとも正反応が減少した。正反応の減少は制限時間が短いほど、ITIが短いほど顕著であった。
(2)制限時間が短い場合、ターゲットに素早く反応しなければならない。ITIが短い場合、次のターゲットがすぐに提示される。高濃度群は新たなターゲットに備えたり、素早く反応したりすることが困難であった。原因として注意障害が考えられる。
(3)高濃度群のオスとメスは20秒待つことが出来ず、行動を抑制できなかった。低濃度群のオスとメスにも行動抑制の障害が見られたが、最終的には統制群と同等の成績に達した。
(4)行動抑制の障害は、衝動性が高まったためと考えられる。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (5件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Hypothyroid rats exhibit attention deficits in a target detection task2006

    • 著者名/発表者名
      WADA, H.
    • 雑誌名

      Organohalogen Compounds 68

      ページ: 1454-1457

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] 甲状腺ホルモン阻害作用と次世代影響III-ターゲット検出課題におけるラットのヒット反応-2006

    • 著者名/発表者名
      和田博美
    • 雑誌名

      動物心理学研究 2

      ページ: 127

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] 甲状腺ホルモン阻害作用と次世代影響IV-ターゲット検出課題と反応時間-2006

    • 著者名/発表者名
      和田博美
    • 雑誌名

      日本心理学会第70回大会発表論文集

      ページ: 491

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] 甲状腺ホルモン阻害作用と次世代影響V-ターゲット検出課題における反応遂行-2006

    • 著者名/発表者名
      和田博美
    • 雑誌名

      環境ホルモン学会第9回研究発表会要旨集

      ページ: 159

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] 甲状腺ホルモン阻害ラットは行動を抑制できない2006

    • 著者名/発表者名
      米崎久美子
    • 雑誌名

      環境ホルモン学会第9回研究発表会要旨集

      ページ: 207

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [図書] 行動心理学-社会貢献への道-2006

    • 著者名/発表者名
      岩本隆茂, 和田博美
    • 総ページ数
      228
    • 出版者
      勁草書房
    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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