Myattらが報告している空中浮遊ウイルスの検出法ならびに、臨床検体で用いられているnested RT-PCR法により、実験室の生物学的安全キャビネット中で、実験的に発生させたインフルエンザウイルスを含むエアロゾルを用い、空中浮遊インフルエンザウイルスの検出法を検証した。 上記の検出法を用い、実験的に空中浮遊インフルエンザウイルスの検出率が最も高くなるサンプリングの条件について検証した。 インフルエンザの流行がみられた平成18年2〜3月に大都市公共空間においてフィールド調査を実施した。地下通路、地下鉄車両内、病院ホール、公園(対照)の各空間を調査対象公共空間とし、気温、湿度、気流(風速)、浮遊粒子状物質(粒径:0.1μm、0.5μm、1.0μm、5.0μm)、人の密度(1m2あたりの人数、乗車率)を計測し、空調・換気設備の特徴を記録した。空中浮遊インフルエンザウイルスの検出は空中微生物サンプラーセット(柴田科学ABB-2型)を用い、サンプリング後のメンブレンフィルターを試料として上記方法により検出を行った。同時に空中浮遊細菌の検出、分析を行った。 上記の結果をもとに、公共空間における空中浮遊インフルエンザウイルスのモデル検出法、インフルエンザウイルスが検出された場合の他の条件の特徴について検討した。 上記の実験・調査と併行して、空中浮遊インフルエンザの検出法、浮遊粒子状物質や浮遊細菌との関連、インフルエンザウイルスの伝播様式、等に関する最新の知見について文献調査を行った。
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