昨年度実施した、Myattらが報告している空中浮遊ウイルスの検出法ならびに、臨床検体で用いられているnested RT-PCR法により、実験室の生物学的安全キャビネット中で、実験的に発生させたインフルエンザウイルスを含むエアロゾルを用いた、空中浮遊インフルエンザウイルスの検出法について、再現性等を検証し、方法論について整理した。 初年度のフィールド調査の結果について、a)各公共空間における空中浮遊インフルエンザウイルスの検出率、浮遊粒子状物質数、浮遊細菌数、同定された細菌相の違い、b)サンプリングを実施した高さ(80cmと150cm)による測定結果違い、c)インフルエンザウイルス検出率と気温、湿度、気流(風速)、浮遊粒子状物質数、浮遊細菌数、同定された細菌相、換気条件との関連について統計学的に分析した。インフルエンザウイルスの検出と浮遊粒子状物質数、浮遊細菌数との関連が推定されたが、更なる検証が必要と考えられた。 今年度のフィールド調査として、夏季に調査を実施した(negative control)。また、インフルエンザ流行期の調査は、今年度のインフルエンザ流行の始まりが例年よりかなり遅かったため、これまでのところ十分なサンプル数に達しておらず、引き続き調査を継続中である。 空中浮遊インフルエンザの検出法、浮遊粒子状物質や浮遊細菌との関連、インフルエンザウイルスの伝播様式、等に関する最新の知見について文献調査を行った。
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