研究課題/領域番号 |
17590538
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
榊原 久孝 名古屋大学, 医学部, 教授 (80153873)
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研究分担者 |
藤井 千恵 愛知教育大学, 教育学部, 助教授 (70314002)
平井 真理 名古屋大学, 医学部, 教授 (90242875)
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キーワード | 血管内皮 / 動脈硬化 / 筋力トレーニング / 中高齢者 |
研究概要 |
生活習慣病は動脈硬化を促進することから、今回、動脈硬化の炎症反応を反映する血漿フイブリノゲンや高感度CRP、血管内皮障害の指標とされるvon Willebrand因子を測定して、中高齢者を対象とした低負荷筋力トレーニングの効果として、血管内皮機能への影響を検討した。 調査対象者は、平成17年度四日市市のヘルスアップモデル事業の参加者(年齢40〜69歳)で、参加希望を受け付けた後にランダムサンプリングにて、介入群と対照群に振り分けた。介入群には毎週1回低負荷筋力トレーニング教室を実施したのに対して、対照群には保健指導のみを実施した。介入群は44名、対照群は41名で、両群に対して、3ヶ月間の介入前後、および介入終了1年後に同様の調査を行った。 1)体重および臍位周囲径は、介入群では3か月後、1年後と低下したが、対照群では変化がなかった。 2)空腹時血糖値、インスリン値も、介入群では、3か月後、1年後に低下を示したのに対し、対照群ではいずれも有意な変化は見られなかった。 3)血漿フィブリノゲン濃度は、介入群では、3か月後に有意に低下したが、1年後には前値よりは低値であるが有意差は消失した。対照群では、有意な変化はみられなかった。 4)高感度CRPは、介入群では、3か月後、1年後共に、有意な低下を示した.対照群でも低下傾向がみられた。 5)von Willebrand因子は、介入群、対照群共に、3か月後、1年後には、前値より有意に増加していた。 今回、血管炎症反応を反映すると考えられる血漿フィプリノゲン、高感度CRP濃度は、介入効果が伺えたが、von Willebrand因子については測定方法を含め更に検討を要すると考えられた。
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