研究課題
基盤研究(C)
循環器疾患予防に向けた血管内皮機能評価を行い、耐糖能異常を含むリスク要因との関連について検討した。奈良県明日香村において、虚血性心疾患、脳卒中治療中、心房細動を除く30〜79歳の男女633人(男185、女338)を分析対象とした。血管内皮機能評価はHDI/CR-2000により、橈骨動脈の脈波形の加重平均を求め、Modified Windkesselモデルに基づき血管弾性の指標となるLarge artery elasticity index(C1, ml/mmHg×10)とSmall artery elasticity index(C2,ml/mmHg×100)を算出した。本研究では、臍周囲径、体脂肪、血圧、空腹時血糖、75gぶどう糖負荷試験による血糖2時間値、HbA1c、空腹時インスリン、TCH、LDLC、HDLC、インスリン、HOMA指数(FBS×IRI/405)、中性脂肪、高感度CRP、尿酸、さらに、上肢-下肢の脈波伝播速度(baPWV)について分析を行なった。研究の実施に際しては倫理委員会の承認のもと、インフォームドコンセントを取って実施した。ボランティア37人に対して、C1、C2の再現性の検討を行ったところ、変動係数CVは、C1で15.6%、C2で16.5%であった。C1とC2の平均値は、C1の男性15.8、女性12.9、C2はそれぞれ5.3、4.2であった。いずれも女性の値が低く、また、年齢が進むにしたがって平均値は低下した。C1、C2レベルをそれぞれ4分位に分け、リスクファクターとの関連を検討したところ、C1は、最大・最小血圧、HOMA指数と、C2は、最大・最小血圧、中性脂肪との関連を認めた。C1、C2いずれも血圧との関連が強かった。インスリン抵抗性の指標でもあるHOMA指数は大動脈の弾性を表すC1との関連が示唆された。
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Hypertension Research 29
ページ: 29-37
Hypertens Res 29