研究課題/領域番号 |
17590554
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研究機関 | 高崎健康福祉大学 |
研究代表者 |
竹内 一夫 高崎健康福祉大学, 健康福祉学部, 教授 (60251089)
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研究分担者 |
鈴木 慶三 高崎健康福祉大学, 健康福祉学部, 助教授 (70348134)
平山 宗弘 高崎健康福祉大学, 健康福祉学部, 教授 (30009899)
笠井 直美 新潟大学, 教育人間科学部, 助教授 (20255243)
大澤 清二 大妻女子大学, 人間生活科学研究所行動疫学部門, 教授 (50114046)
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キーワード | 児童生徒 / 感情のコントロール / うつ状態 / 横断調査 / ライフスタイル |
研究概要 |
2年目は、サーベイランス委員会版「気分の調節不全」尺度とライフスタイルとの関連を調べるための本調査を実施した。 初年度のデータを元に、「気分の調節不全」傾向尺度項目の信頼性・妥当性の検証が行われた。そこで、本年度はこの尺度を用いてさらに範囲の広い本調査を行い、ライフスタイル指標(食生活、睡眠など)を同時に測定して、これらの関連を多変量解析により明らかにし、気分のコントロールに悪影響を与える生活習慣のリスクを検討した。 具体的には、1)群馬県教育委員会の協力のもと、調査群として、2007年7月に群馬県下の2校の高等学校の全生徒約500名を対象に、「気分の調節不全」項目とライフスタイル項目を併せた無記名の質問票を配布、自発的参加の下に回収し、統計学的分析を行った。ただし、両校ともに定時制・通信制高校である。2)埼玉県教育委員会の協力のもと、対照群として、2007年7月に埼玉県下全域の小学校児童(4-6年生)、中学校生徒、高校生生徒約3000名を対象に、「気分の調節不全」項目とライフスタイル項目を併せた無記名の質問票を配布、自発的参加の下に回収し、統計学的分析を行った。 その結果、群馬県下の2つの定時制・通信制高校生徒523名、埼玉県下全域の小学校児童(4-6年生)1060名、中学校生徒1092名、高校生(1,2年生のみ)749名から有効回答が得られた。ライフスタイルとの関連では、例えば、朝食を摂っていないものは摂っているものに比べて「気分の調節不全傾向」項目が高い傾向が見られた。同様に、午前0時過ぎに就寝するものはそれ以前に就寝するものに比べて「気分の調節不全傾向」項目が高い傾向が見られた。 さまざまなデータから、児童生徒において、食事や睡眠といった基本的な生活習慣と気分のコントロールの障害の間に一定の関連のあることが示された。横断調査のため因果関係を立証することは出来ないが、今後これらの生活習慣の改善が児童生徒の気分のコントロールを改善する可能性が示唆された。
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