研究課題/領域番号 |
17590555
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
公衆衛生学・健康科学
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研究機関 | 東京医科大学 |
研究代表者 |
下光 輝一 東京医科大学, 医学部, 教授 (90206243)
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研究分担者 |
山科 章 東京医科大学, 医学部, 教授 (60317831)
平山 陽示 東京医科大学, 医学部, 准教授 (30246285)
小田切 優子 東京医科大学, 医学部, 講師 (90276907)
大谷 由美子 東京医科大学, 医学部, 講師 (00074724)
高宮 朋子 東京医科大学, 医学部, 講師 (40366133)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2007
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キーワード | 医療事故 / 研修医 / 職場環境改善 / 指導医 / ストレス |
研究概要 |
医療事故の防止と医療の質の向上のためには、医療事故のハイリスク者とされる研修医の、勤務状況や仕事に関連したストレスに対する適切な対策が重要と考えられる。そこで本研究では、研修医および指導医を対象に、研修医に多い仕事上でのトラブルならびにヒヤリ・ハットがおきやすい状況についてグループ討議を計5回開催し、情報の収集と検討を行った。この検討結果を基に、研修医の仕事上のストレス要因、ヒヤリ・ハット要因に関する質問票を作成し、5施設の研修医、指導医を対象に質問票を配布した。研修医調査では、週労働時間は施設により差があったものの平均75.8時間であり、研修医が過去6ケ月間に経験したインシデント/アクシデントは、処方箋の誤りが最も多く62.2%、次いで、情報管理46.4%であった。これらのインシデント/アクシデントと関連があると回答された事項では、確認不十分、観察不十分、知識不足・誤り、手技の未熟さ、自分の勉強不足と回答する者が多かった。研修医がストレスと感じる状況は、知識、技能の欠如の自覚に関するものが上位を占めた。また研修医の仕事の質的負担や身体的負担は高く、仕事のコントロール、技能活用度が低く、疲労、不安、抑うつ、身体愁訴得点が高かった。これらの結果より、指導医から研修医へ確認やコミュニケーションを促す医療事故防止を目的とした職場環境改善チェックリストを作成し、その効果を検証した。指導医がチェックリストを携帯して研修医を指導するという介入により、指導医の意識が高まり、医行為に際しての確認の度合いが高まった。研修医の医療事故防止を目的としたチェックリストを指導医が使用することは有用であり、医療事故防止に資する可能性がある。また、簡便に利用可能であることから、研修医のみならず他の医療職にも適用可能であり、病院内リスクマネージメントシステムへの導入できる点で意義がある。
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