研究課題
基盤研究(C)
日常生活の歩数に影響を与えている環境要因をテーマに研究を行い、以下の成果を得た。1)歩行環境を評価する質問紙として世界的に広く活用されているAbbreviated Neighborhood Environment Walkability Scale(ANEWS)日本語版を作成し、良好な信頼性(環境要因8項目の再テスト法による級内相関係数は0.76〜0.96)を確認した。2)この質問紙を用いて、20-69歳の地域住民2、000人(住民基本台帳からの無作為抽出)を対象に横断調査を行った(回答者736名、36.8%)。その結果、環境要因8項目(世帯密度、土地利用の多様性、サービスへのアクセス、道路の連結性、歩道自転車道、景観、交通安全、治安)と身体活動との関連が示された。3)環境と身体活動は、身体活動の種類・目的、対象者の年齢、性別によって複雑に関連している。例えば、同じ歩行でも環境要因がより強く影響するのは、男性では「散歩・ウォーキング」、女性では「日常生活での歩行」であり、関連する環境項目も異なっていた(男性の散歩・ウォーキングには「歩道自転車道」「景観」「交通安全」が、女性の日常生活での歩行には「世帯密度」「土地利用の多様性」「サービスへのアクセス」「治安」が関連していた)。4)身体活動と環境との関連を、1身体活勲の種類・目的別、性別、年齢別に考える視点は、今後の研究、環境整備対策を進める上で、重要と考えられた。5)5つの環境要因、すなわち(1)世帯密度、(2)道路の連結性、(3)混合土地利用度、(4)運動場所へのアクセス、(5)公共交通機関へのアクセス、について、地理情報システムを用いた環境評価手法を開発した。データには国勢調査等の政府統計、電話番号データベースなどの既存データを用い、つくば市をモデルに評価結果を地図化した。今後の環境研究の強力なツールになりうるものと考えられた。
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運動疫学研究 9
ページ: 17-18
Research in Exercise Epidemiology 9
Motivating people to be physically active, Taishukan Publishing., Ltd, Tokyo
ページ: 140-163