研究概要 |
本研究の対象となる長野県佐久地区では、文部科学省の補助による大規模コホート研究のベースライン調査として、1989年に当時35歳以上であった28042人が、生活習慣調査に回答し、うち約15,000人が1989年から1992年に自治体が実施した健診を受診している。さらに、先行研究により、本研究の対象コホート集団ではすでに1999年12月末までの循環器疾患(急性心筋梗塞、くも膜下出血)・ホルモン関連がん(乳がん、前立腺がん、甲状腺がん)の罹患は把握している。 本年度は28042人の基礎コホート集団を対象として、2000年1月より2003年末までの循環器疾患(急性心筋梗塞、くも膜下出血)・ホルモン関連がん(乳がん、前立腺がん、甲状腺がん)の罹患状況の調査を行った。また、この期間の対象コホート集団の転出状況の把握も行った。罹患調査の実施にあたっては佐久市内の医療機関の協力を得て、研究代表者、研究分担者が医療機関を訪問して、現地の研究協力者、研究補助者とともに実施し、個人情報の漏洩には充分の注意をはらって調査を行った。 その罹患調査結果としては、急性心筋梗塞21人、くも膜下出血9人、乳がん48人、前立腺がん29人、甲状腺がん9人であった。この結果、観察開始時より2003年12月末までの観察期間中では、急性心筋梗塞185人、くも膜下出血104人、乳がん175人、前立腺がん92人、甲状腺がん111人の罹患が確認された。
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