研究課題/領域番号 |
17590565
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研究機関 | 産業医科大学 |
研究代表者 |
堀江 正知 産業医科大学, 産業生態科学研究所, 教授 (90341528)
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研究分担者 |
筒井 隆夫 産業医科大学, 産業生態科学研究所, 助手 (60309987)
永野 千景 産業医科大学, 産業生態科学研究所, 専門修練医 (60389476)
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キーワード | 個人情報 / 労働衛生 / 健康情報 / 産業医 / 労働者 / 雇用 / 医療情報 / 産業保健 |
研究概要 |
本研究は、個人情報保護法への対応が求められている医療分野と雇用分野の両方が関与する労働衛生の分野における労働者の健康情報の望ましい取扱い方について、民間企業が活用できるアクションチェックリストの開発を最終目的として実施している。平成17年度は、現場の産業保健専門職および事業場に対する2つの調査を実施して、職場における労働者の健康情報の取扱い方に関する現状や制度を収集した。また、その調査結果を基に、職場において解決すべき課題を整理した。まず、日本産業衛生学会のすべての専門医又は指導医352人に対して意見を尋ねる調査票を郵送して217人(61.6%)から回答を得た。また、健康情報の保護と活用に関する事業場の制度の実態調査を愛知県などの衛生管理者を対象に実施した。 調査内容は、職場での実質的な健康情報管理者、人事担当者が閲覧してよい健康診断個人票の内容の範囲、電子化した健康情報の安全管理、健診結果の通知方法、保健指導を要する者の呼出し方法、法定外の健診項目・人間ドック結果・診断書・過重労働の健康相談の取扱い、労働者の異動への対応、健診会場における対策、診療情報の就業上の措置への利用、本人の同意の取得方法、不適切な行為に対する懲戒、産業保健専門職の契約における情報保護規定等とした。労働基準局が示した留意事項に関する行政通達にしたがって、生データを産業医等が保管し、所属長にはそれらを解釈した就業上の措置の内容だけを提供している事業場はほとんどなかった。 上記の調査結果から、専門職による会議を開催して、労働者の健康情報の取扱いに関する具体的な課題を類型化した。具体的には、医療職と非医療職のコミュニケーション、第三者の利害との調整、医療機関との連携、医療職同士のコミュニケーション、労働者の同意を取得するための健康情報ごとの具体的な方法、健康情報を取扱う事業者の範囲等が課題と抽出された。
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