研究課題/領域番号 |
17590567
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研究機関 | 国立保健医療科学院 |
研究代表者 |
山岡 和枝 国立保健医療科学院, 技術評価部, 開発技術評価室長 (50091038)
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研究分担者 |
小林 国彦 埼玉医科大学, 第2内科学, 助教授 (30205455)
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キーワード | QOL / スコア変換 / 同等性 / 多文化 / 評価 / EORTC QLQ-C30 / アウトカム指標 / 文化差 |
研究概要 |
今や医療や健康関連の評価にQOL評定は、その重要性をますます増大させている。しかし、QOL評価を行う臨床試験を国際的に展開したとしても、疾患による差、評価時期の違いやQOL調査に対する回答の仕方の個人差のみならず、各国の文化の差により、各国の調査結果を国際的に統合して解析できない現状である。そこで、本研究では、QOL測定において現在、世界的に問題になっているが未だ解決されていない、QOL測定におけるスコア化の多文化的妥当性(同等性)について検討し、アウトカム指標としてのQOL測定の評価方法を確立することを目的とする。統計学的立場からQOL測定について検討したCoxら(1992)やStaquetら(1998)も指摘するように、その仮定の吟味やデータの性質などについての検討が必要である。データの性質に応じた分析手法が求められるようになり、結果の解釈と限界、価値づけ、評価をどのように行うかという点も含め、注意深く検討していく必要があろう。これらは未だ十分とはいえず、今後のさらなる検討が望まれている。これらの点を考慮しつつ、本研究では保健医療のアウトカム評価に関する国際共同研究として、多文化間におけるスコアの変換について、回答スケールの同等性に関する基本的な検討として、QOL調査票の構造を確認しスコア算出法の適用可能性の検討を行った上で、回答スケールの同等性について、尺度得点の分布という観点から検討した。さらにスコアの等価性を検討するためのプレリミナリ研究が必要不可欠であると考えられ、そのためのプロトコルの作成を行った。プレリミナリ研究は現在、日本およびオランダにおいて進めている。
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