研究課題/領域番号 |
17590568
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研究機関 | (財)東京都高齢者研究・福祉振興財団 |
研究代表者 |
藤原 佳典 (財)東京都高齢者研究・福祉振興財団, 東京都老人総合研究所, 主任研究員 (50332367)
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研究分担者 |
新開 省二 (財)東京都高齢者研究・福祉振興財団, 東京都老人総合研究所, 研究部長 (60171063)
天野 秀紀 (財)東京都高齢者研究・福祉振興財団, 東京都老人総合研究所, 助手 (90260306)
内田 勇人 兵庫県立大学, 環境人間学部, 助教授 (50213442)
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キーワード | 認知機能低下 / スクリーニング / 生理的マーカー / 生化学的マーカー / 介護予防 |
研究概要 |
【目的】今年度は認知機能低下を予測する生化学的マーカーの探索を試みた。これまでのわれわれの一連の研究により、地域高齢者における総死亡、要介護状態の独立した予知因子であることがわかってきた、炎症性マーカーの血清β2-ミクログロブリン(β2-M)に着目した。 【方法】長岡市与板地区で2004年6月に実施された基本健康診査を受診した70歳以上高齢者約600人(2004年)を解析対象とし、横断分析を行った。血清β2-Mの採血と同時に面接法による認知機能検査;Mini-Mental State Examination (MMSE)および「語想起検査」(意味カテゴリー"動物"と御頭音"カ"で始まる単語の各30秒間に想起する語数を測定)、生活問診、ならびに体力検査を行った。【結果】受診者の認知機能検査および血清β2-M濃度はそれぞれ、MMSE26.8±2.4、語想起;「動物名」12.5±4.0;「カ」7.1±3.2、血清β2-M 1.8±1.4であった。語想起;MMSE(<24vs.≧24)、「動物名」(12語≧vs12<)、「カ」(7語≧vs7<)を目的変数として、性、年齢、就学年数、血清β2-M(<1.5vs.1.5-1.6vs.1.7-2.0vs.2.1)を強制投入した多重ロジスティック回帰分析をおこなった。血清β2-Mの4分位が1カテゴリー上昇することに有意にMMSE低得点の者の割合が増え(Odds比=1.28、p=0.034)、語想起「動物名」、「カ」の成績が低い者の割合が増えた(Odds比=1.21、p=0.022:Odds比=1.24、p=0.008)。【結論】血清β2-M濃度高値は性、年齢、就学年数を調整後もMMSEおよび言語流暢性機能低下と有意な関連を示した。
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