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2005 年度 実績報告書

熱中症重症化の病態解析と法医学実務への応用

研究課題

研究課題/領域番号 17590576
研究種目

基盤研究(C)

研究機関福井大学

研究代表者

高塚 尚和  福井大学, 医学部, 助手 (40242490)

研究分担者 松木 孝澄  福井大学, 医学部, 教授 (10126617)
飯田 礼子  福井大学, 医学部, 助手 (40139788)
伊保 澄子  福井大学, 医学部, 助手 (80151653)
キーワード熱中症 / サイトカイン / ケモカイン / RT-PCR / 免疫組織化学
研究概要

本年度は、マウス熱中症モデルの作製と病態解析(サイトカイン、ケモカインmRNAの発現と病理組織)を行った。
(1)マウス熱中症モデルの作製
ヒトでは、熱中症発症時の体温が40℃以上を示すことが多く、マウスの正常体温が35℃前後であることから、35℃、37.5℃、40℃および45℃の恒温インキュベーターにマウスをいれ、経時的に観察した。45℃では1時間以内、40℃では2時間以内、37.5℃では10時間以内にマウスはすべて死亡したが、35℃の恒温インキュベーターにいれたマウスは、24時間経過してもすべて生存していた。マウスの生存率が、温度依存性によることから、恒温に暴露したマウスでは熱中症が生じていると考えられた。
(2)マウス熱中症の病態解析
前項で記した各温度(35℃、37.5℃、40℃、45℃)にマウスを暴露し、経時的に心臓、肺臓、肝臓、脾臓、腎臓および筋組織を採取し、リアルタイムPCR法により各種サイトカイン、ケモカインのmRNAの発現を検討した。TNF-α、IL-1β、IFN-γ、MIP-2、MCP-1等の炎症性サイトカイン、ケモカインmRNAの発現は、高温にマウスを暴露させるほど、短時間にその発現が亢進する傾向が認められた。各種サイトカイン、ケモカインのピーク値は、高温に暴露したマウスが必ずしも高値を示さず、また極値を示すまでの時間も温度による相関は認められなかった。しかし直接熱風に曝される肺臓での各種サイトカイン、ケモカインの発現は、他の臓器と比較して発現が早期に認められる傾向があった。
各臓器を病理組織学的に検索すると、一般的に熱中症で認められるとされる所見が認められ、マウス熱中症モデルの作製に成功したと考えられた。
各種サイトカイン、ケモカインの発現に差があることから、これらの遺伝子を発現しているマクロファージ、好中球、リンパ球、血管内皮細胞などの動態を暴露する温度に分け経時的に免疫組織化学用に採取し、現在、これらの細胞の動態を組織学の側面から解析している。

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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