研究概要 |
1.DMPA(differntially methylated parental allele)検出法が応用可能な新規インプリント遺伝子SNPの検索を、新たに8遺伝子のSNPsについて行ったが、明らかに有用なSNPは確認されなかった.一方、これまでに応用可能が判明しているH19遺伝子について、以前に対象とした3SNPs(ハプロタイプとして3アリル)の近傍には11SNPsの存在が確認され、これらを加えた14SNPsの型判定をするとハプロタイプとして8アリルが検出された.このことは単独遺伝子多型として十分な情報力があると思われる。これらのSNPsの同時検出方法については現在検討中である. 2.DMPA検出法が応用可能な5遺伝子のうち4ローカス(H19,SNRPN,PEG3およびMEST)について集団調査を行った.アリル分布が偏っていたMESTを除き、代わりにHYMAIを加えた4ローカスの同時型判定をミニシーケンス法で行った.7SNPsに特異的なプライマーを用いることで型検出が可能であった.なお、4ローカスの多型の同時検出によりいずれか一つでもヘテロ型が観察される確率は93%であった.事前にDNAの酵素処理を行った後のミニシーケンス法によるDMPA判定ももちろん可能であった. 3.DMPA検出法の信頼性を高めるために3〜4人のDNAサンプルを用いたクローニングレベルのメチル化状態を解析した.その結果、個人により若干の差異はみられるが、いずれのローカスでもインプリント状態から推測される親アリルの高度あるいは疎メチル化状態が確認された.一方、少数のクローンではメチル化状態の混在も少数ながら観察されたことから、サンプルによっては判定に困難を伴う可能性があると推察された。このメチル化状態の混在が最も顕著だったのはPEG3であった。
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