研究課題/領域番号 |
17590596
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
内科学一般(含心身医学)
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
細井 昌子 九州大学, 大学病院, 助手 (80380400)
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研究分担者 |
久保 千春 九州大学, 大学院・医学研究院, 教授 (80117100)
有村 達之 九州大学, 大学院・医学研究院, 助手 (80264000)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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キーワード | 痛み / 質問紙 / 中枢制御 / 疼痛性障害 / 評価法 / SF-MPQ |
研究概要 |
【目的】痛みの心身医学的治療の評価として、国際的にも統一した指標を国内でも有効利用するガイドラインを作成して海外との比較研究を可能にすることは重要である。痛みの主観的訴えの性状および強度を簡易に測定する指標で国際的にも汎用されるShort-Form McGill Pain Questionnaire(SF-MPQ)を日本語文化での痛み表現を考慮して翻訳して標準化した日本語版を作成し、妥当性および有用性を評価する。【方法】SF-MPQの日本語翻訳許可を原作者のMcGill大学のMelzack博士から得て、二人の専門職の翻訳家に日本語訳を依頼し、順翻訳版1を作成。その順翻訳の質を2名の日英の語学に堪能な医学者に判定してもらい、問題を認めた用語について、医師、歯科医師、心理学者の計6名で再検討を行い、順翻訳版2を作成。その順翻訳版2を二人の専門の翻訳家に逆翻訳を依頼し、その二つの逆翻訳版の原作との等価性をMelzack博士に依頼し検証。現時点での痛み強度(PPI)については原作に忠実に6段階の表現が等間隔になるように、九州大学病院の痛み患者64名と福岡大学学生147名に依頼し、日本語の痛みの程度表現で最適な言葉を選択。【結果】原作の英語版SF-MPQと概念的等価の日本語版SF-MPQ(SF-MPQ-JV)が作成された。【結論】作成された日本語版SF-MPQを用いて慢性疼痛の治療効果の判定に導入する段階へ進行した。さらに心身症になりやすい心理状態としての失感情症とSF-MPQによる痛みの感覚的スコアおよび感情的スコアとの相関についても150例以上のデータが蓄積され、分析可能な状態となっている。痛みの心身医学的治療の発展につながる有用な知見としてさらなる研究の発展が予定されている。
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