研究課題/領域番号 |
17590601
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
永井 隆之 北里大学, 北里生命科学研究所, 講師 (00172487)
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研究分担者 |
清原 寛章 北里大学, 北里生命科学研究所, 助教授 (70161601)
砂塚 敏明 北里大学, 北里生命科学研究所, 教授 (30226592)
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キーワード | 漢方薬 / 小青竜湯 / 粘膜免疫 / プロテオーム解析 / 気道炎症 / ピネリン酸 / インフルエンザ / 東洋医学 |
研究概要 |
本研究では、漢方方剤の一種である「小青竜湯」の気道感染症に対する有効性の作用機序並びに作用成分を明らかにすることを目的とする。 今年度は、小青竜湯の気道における炎症に対する薬効発現機序を解明するために、気道炎症モデルマウスを用いて二次元電気泳動法によるプロテオーム解析を行った。気道炎症モデルは、BALB/cマウス(6週齢,♀)に卵白アルブミン(OVA)とAhlmを腹腔内投与し、 OVAを吸入させて作製した。小青竜湯は、OVA吸入翌日から6目後まで0.5g/kgを5回経口投与した。気道過敏性はメタコリンを吸入させ無拘束式プレチスモグラフにより気道の抵抗を測定した。プロテオーム解析は、OVA吸入7日後に採取した各臓器をホモジナイズし遠心分離した上清を、一次元目はアガロースゲルを用いた等電点電気泳動により、二次元目はSDS-PAGEにより分離した。ゲルはCBB染色し、スポットを切り出してLC-ESI-MS/MSによりタンパク質を同定した。その結果、OVAの感作により気道過敏性が有意に上昇し、血清及び肺洗液中のOVA特異的IgE抗体価が有意に上昇したことより、気道炎症モデルマウスの作製が確認された。これに対し、OVAの感作で上昇した気道過敏性及び肺洗液中のOVA特異的IgE抗体価は小青竜湯の投与により有意に低下した。そこで、肝臓のプロテオーム解析を行った結果、OVAの感作により発現量が低下し、さらに小青竜湯の投与により増加したスポットとしてsuperoxide dismutase 1が同定された。また、肺においても同様の変化を示す高分子量のタンパク質としてspectrinα2が同定された。 さらに、ピネリン酸の立体構造と経鼻接種インフルエンザワクチンに対するアジュバント活性の相関についても検討を行なった。
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