目的 1.パニック障害曝露(エクスポージャー)治療用バーチャルリアリティー(VR)ソフトウェアを開発すること<第一弾:地下鉄に焦点を当てたソフトウェア> 2.地下鉄回避症状を持つパニック障害患者向けに開発したVRソフトウェアによるエクスポージャーを中心とした認知行動療法を行い、治療前・治療途中・治療直後の各症状・各生体指標(自律神経活動)の変化を検討する 3.ランダム化比較試験により、現実場面のエクスポージャー群とVRエクスポージャー群の治療前・治療途中・治療直後の各症状・各生体指標(自律神経活動)の変化の差違を検討し、VRソフトウェアによるエクスポージャーを中心とした認知行動療法の位置づけを図る 研究実績(進捗状況) 1.患者診療により地下鉄場面における不安な状況の聴取を終了した。 2.VRソフトウェア製作のために必要な地下鉄場面の撮影・録音を終了した。 3.CG等を駆使し、各患者の治療段階や不安な状況に合わせて変更可能な構成を持つVRソフトウェアを製作し、全工程の80%が完了した。このソフトウェアの利用に際しては、治療者のみがコントロール可能な内容に加えて患者もコントロール可能な内容もあり、患者が不安をコントロールしながら自発的に行動を試みるための工夫をした。 4.6回の認知行動療法を含む全9回の診療が円滑に行えるよう、治療者全員の治療方法を統一するために、地下鉄回避症状を持つパニック障害患者に対してのパイロットスタディを現実場面のエクスポージャーで行った。
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