研究概要 |
防已黄耆湯のメタボリックシンドロームに対する効果の解析 基礎検討: 本研究では防已黄耆湯を投与し、同時に体重減少による抗高血圧作用、インスリン抵抗性の改善、各種アディポサイトの改善度、抗動脈硬化作用、脂肪代謝の改善度を実験動物で解析する。 実験方法: 1.実験動物:SDラットを用い生後7週後に卵巣摘出を行い肥満モデルとした。生後14週まで一般固形試料を与え、体重を測定し平均化させ、1群を6匹の4群とし、対照群と薬物治療群(3群)とし実験に用いた。 2.漢方用法・用量:対照群には一般固形飼料を与え、治療群は防已黄耆湯エキスを1%、0.5%、0.25%を一般飼料に混入させ投与した。 3.実験試料採取1)血液:実験開始時、1ヶ月後3ヶ月後に採取した。採取24時間前に絶食とした。採取方法はラット勤静脈瘤より2ml採取し、遠心分離後血清約1mlを500μlの2本に分注し凍結保存した。2)生体試料:実験開始3ヶ月後に体重測定後、エーテル麻酔下開腹し心臓、肝臓、脾臓、腹部大動脈、腹部脂肪(白色脂肪)を摂取し、重量測定後3分割し2検体を凍結、1検体をホルマリン固定し試料とした。 4.測定項目:血液検査(T-chol、TG、Glu、血中インスリン(IRI)アディポネクチン、TNF-α,INF-γ,IL-10,IL-6,IL-4,IL-2,IL-1a,IL-1b,GM-CSF)に関して測定した。 生体試料:ホルマリン固定試料は一部HE染色し残りはブロック保存した。 遺伝子発現変動解析:腹部脂肪(白色脂肪)にてtotalRNAを抽出しDNAマイクロアレイにハイブリダイゼーションさせmRNAを測定した。 結果: (1)実験動物(SDラット)を用いた実験において防已黄耆湯エキスの治療群は、体重は投与開始6週後に対照群との間に多重比較検定で有意差を認めた。 (2)血液検査ではTNF-αに関して3ヵ月後に対照群との間に多重比較検定で有意差を認めた。 (3)子宮傍脂肪細胞(白色脂肪)のTNF-α遺伝子発現量にて防已黄耆湯エキスの治療群は対照群との間に多重比較検定で有意差を認めた。
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