研究課題/領域番号 |
17590615
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
手島 一陽 東京大学, 医学部附属病院, 医員 (30396733)
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研究分担者 |
池田 均 東京大学, 医学部附属病院, 助教授 (80202422)
富谷 智明 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (90227637)
柳瀬 幹雄 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (50334397)
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キーワード | Ischemic preconditioning / 虚血再灌流障害 / Kupffer細胞 / NADPH oxidase / 活性酸素 / 酸化ストレス / 移植・再生医療 |
研究概要 |
短時間の臓器虚血再灌流が先行すると、その後の長時間の虚血再濯流障害がむしろ軽減されるという現象;ischemic preconditioning (IP)について、「少量短時間のH_2O_2前投与による酸化ストレスが、IP同様にむしろ肝の虚血再灌流障害を軽減した」という著者らの知見を踏まえ、このH_2O_2前投与が、in vitroで直接的な肝細胞保護作用を有するか否かを検討した。in vitroでの虚血再灌流障害の再現は、ラット培養肝細胞に対する様々な時間のanoxia/reoxygenation後の細胞viabilityの推移を検討し、モデルを構築した。同モデルを用いて、様々な濃度のH_2O_2前投与による肝細胞保護作用を検討したが、明らかなpreconditioning効果は捉えられなかった。そこで、H_2O_2前投与が肝細胞に直接作用しているのではなく、Kupffer細胞を介して肝の虚血耐性を誘導しているとの仮説をたて検証を行ったところ、Kupffer細胞を抑制したラットの温虚血再灌流モデルにおいて、H_2O_2前投与による虚血再灌流障害軽減作用が消失するという結果が得られた。更に、Kupffer細胞の主要な活性酸素産生系であるNADPH oxidaseに着目し検討したところ、NADPH oxidase阻害剤によってIP、およびH_2O_2preconditioningのいずれの肝保護作用も消失する事が明らかとなった。加えて、組織学的検討により、少量短時間のH_2O_2投与直後にKupffer細胞が活性酸素ラジカルを産生し得る事が見出され花。従って、「少量短時間のH_2O_2前投与、およびischemic preconditioningによる肝の虚血耐性獲得のメカニズム」としては、いずれもKupffer細胞のNADPH oxidaseにより産生される活性酸素ラジカルを介した作用であるということが考えられた。
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