研究分担者 |
渡辺 守 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (10175127)
土屋 輝一郎 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 助手 (40376786)
大島 茂 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 医員 (50376787)
久保田 大輔 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 医員 (00376790)
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研究概要 |
本研究は当初の研究計画に示した項目につき、下記に示すごとく大きな研究成果が得られた。 1)活性型Notch、bHLH因子HES-1およびMath1の標的遺伝子群の網羅的解析においては杯細胞表現系を有する大腸上皮由来細胞株にcleaved Notch1及びHES1遺伝子がテトラサイクリン刺激において発現誘導する系を確立し、cleaved Notch1を誘導発現させたmRNAを用いマイクロアレイにて変化のあった遺伝子の単離に成功した。そのうちパネート細胞で発現している遺伝子が単離され実際にNorthern blot, RT-PCR解析によりNotchの発現誘導に伴いその遺伝子の発現増加を確認した。これはNotchシグナルがパネート細胞分化との関連性を示唆するものでありさらなる解析を進めている。 2)炎症性メディエーターによるNotchシグナル制御機構の解析においてはまずNotchシグナル活性化評価としてDNA結合部位であるRBPjkの結合配列を用いたレポーターアッセイを構築し、定量化に成功した。今後種々のサイトカイン、ケミカルメディエーター刺激によるNotchシグナルの影響と腸管上皮細胞表現系の変化を解析していく。 3)Notchシグナルの人為的制御による大腸炎治療の可能性の検討においてまず正常ヒト大腸組織においてcleaved Notch, HES1, Math1の発現部位を免疫染色法にて検討した。Notch, HES1は大腸粘膜の増殖帯にほぼ同一の部位に発現しているのに対し、Math1は絨毛の管腔側まで発現していることが明らかとなった。今後潰瘍性大腸炎などの慢性大腸炎における発現検討を行う予定である。
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