研究課題/領域番号 |
17590625
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
陳 正新 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (10376783)
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研究分担者 |
柿沼 晴 東京大学, 医科学研究所, 産学官連携研究員 (30372444)
坂本 直哉 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 助手 (10334418)
渡辺 守 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (10175127)
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キーワード | 臍帯血 / 幹細胞 / 肝細胞 / 再生医療 / 傷害肝 / 細胞生物学 / 細胞移植 |
研究概要 |
我々は当該研究において、ヒト臍帯血から間葉系幹細胞を樹立し、独自の培養系によって肝細胞への分化誘導を行い、それを肝障害モデル動物への細胞移植に用いる方法を開発する研究を行い、今年度の成果として下記を得た。 1)ヒト臍帯血由来間葉系幹細胞(CB-MSC)の樹立:CB-MSCを安定して樹立しうる選択培養系を開発することに着手した。細胞表面抗原を用いて、臍帯血細胞から不必要な画分を除去し、30%FCS/FGF-2添加培地中で増殖する接着細胞を選択し、間葉系幹細胞を樹立することとした。その結果、CB-MSCと考えられる10継代以上が可能な増殖細胞を分離することに成功し、今後この細胞を利用して、以下の検討を行うこととした。2)CB-MSCの培養系による分化誘導:CB-MSCを培養系によって肝細胞への分化を誘導するため、培養条件を検討した。臍帯血有核細胞から肝細胞が誘導される培養系を用いると、CB-MSCの増殖と形態変化を認め、肝関連mRNA発現を認めた。また、matrigelを併用すると、分化誘導が促進された。これらの結果に基づき、肝細胞としての形質発現を確認した後、この細胞を肝障害マウスに移植する実験を行う方針とした。3)CB-MSCへのHNF4強制発現系の構築:肝細胞の機能維持に重要なHNF4をCB-MSCに強制発現する系の構築を行った。EF1αプロモーター下にEGFP遺伝子と共にHNF4遺伝子を発現するDNAコンストラクトを構築し、プラスミドベクターとレトロウイルスベクターを作成した。HNF4を強制発現させた細胞を分化誘導と移植によって肝細胞としての形質を確認する方針とした。 これらの結果に基づいて、CB-MSCを肝細胞への分化誘導培養後に、肝障害移植モデル動物に移植することで、CB-MSCから肝細胞への分化機構について細胞生物学的解析を進めてゆく予定である。
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