研究概要 |
B型肝炎ウイルス(HBV)に対して、4種類のsiRNA発現ベクターを作成し、抗ウイルス効果をHBV複製可能な肝細胞株(HBV-Met cell lines)を用いて検討した。siRNAのHBVに対するターゲットサイトはGenebank(NC3977)のデータベースをもとに、siRNAのアルゴリズムを利用して決定した。4種類のターゲットサイト(125, 301, 913, 1067)に焦点をあて、発現ベクターを作成した。Invitroの系では、siRNA発現ベクターを細胞にlipofectamin2000を用いてtransfectionした後、Northern BlotにてHBV RNAの発現を解析した。HBVのターゲットサイトが125と913は、HBV RNAの発現低下が認められたため、HBVトランスジェニックマウスを利用してin vivoの系でも効果が認められるか検討した。しかし、Hydrodynamic injectionによりsiRNA発現ベクターをマウスに投与後、肝臓からRNAを抽出しHBV RNAの発現をNorthern Blotで確認したところ、抑制効果は不十分であった。今回の研究からは、siRNAを用いた抗ウイルス薬の開発として、肝臓へのデリバリーシステムの改良が必須であると思われた。
|