研究課題/領域番号 |
17590629
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研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
伊熊 睦博 浜松医科大学, 医学部附属病院, 講師 (00275108)
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研究分担者 |
大澤 恵 浜松医科大学, 医学部附属病院, 助手 (10397391)
須田 隆文 浜松医科大学, 医学部, 助手 (30291397)
杉本 光繁 浜松医科大学, 医学部, 助手 (80397398)
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キーワード | 粘膜免疫 / 小腸上皮間リンパ球 / サイトカイン / 免疫栄養 |
研究概要 |
本研究は、消化管に於ける免疫担当細胞が腸管局所並びにそこから波及して全身への炎症を引き起こすメカニズムの一端を解明する為に、消化管(小腸)粘膜樹状細胞の細胞内イオン動態を明らかにし、小腸上皮間リンパ球Intraepithelial Lymphocyte(IEL)とのクロストーク、その帰結として起こるであろうサイトカインの動態を細胞生理学的手法により評価する事を目的とした。二年間の研究に於いて、主題と関連する以下の事項が明らかとなった。1)粘膜免疫制御メカニズムの一端を明らかにする目的でIELにおけるサイトカイン産生の腸管内栄養素による変化を検討したところ、グルタミン刺激によりIELからのサイトカイン産生が変化する事、変化パターンにはTh1優位の増強効果のあること。2)サイトカインの細胞内プロファイルにも同時に変化がみられること。3)ヒスタミン刺激により、IELサイトカイン産生の調節効果のあること。4)これらの刺激下での変化が細胞内イオン特にカルシウムイオン動態による制御過程を有する可能性が示された。これらの結果は、腸管栄養の様態が粘膜免疫に直截的に関わり合う事、特にグルタミン栄養が炎症に対し増強的作用を齎す可能性が示唆された。生体内アミン並びに体外から投与される抗ヒスタミン受容体剤が消化管免疫に関わり合う事を示唆した。IELとDCとのクロストークについては、今後証明を重ねて行く必要がある。
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