(1)BALB/c mouseのsyngenic cell line Renca細胞にHBX蛋白を表現するウィルス(adeno-HBXおよびHBX knockoutのadeno-HBX0を感染させ、HBX蛋白の発現をwestern blotにて確認した(HBX蛋白はadeno-HBXで発現しadeno-HBX0で発現はなかった)。 (2)Adeno-HBXおよびadeno-HBX0をRenca細胞にM.O.I.=0.5で感染させ2日後にMHC Class I(H-2^d)の発現をFlow cytometerにて測定した。adeno-HBX感染細胞においてMHC Class Iの発現はadeno-HBX0感染細胞に比し低下していた。既報告にてHBX蛋白がProteasome機能障害を起こすことが確認されているため、細胞においても同機序にてMHC class I発現を抑制したものと考えられた。 (3)BALB/cマウスにadeno-LacZを2週間毎2回腹腔内投与にて感染させた後、脾内リンパ球をさらにex vivoにてadeno-LacZを感染させた後、Adeno-HBXまたはHBX0を感染させたRenca細胞を標的細胞とし(共通抗原:adeno蛋白)細胞障害活性測定(CTL)(chromium releasing assay)を施行したところadeno-HBX感染標的細胞ではadeno-HBX0感染標的細胞に比較してCTL活性は抑制されていた。 (4)vvHBXまたはvvLacZをマウスに上記と同様に腹腔内投与した後、1週間ex vivoにてvvHBXまたはvvLacZとともにそれぞれ培養しWR感染標的細胞に対する細胞障害活性を測定した。現在、これらの確認実験および定量化のためサイトカインの測定etcを施行している。
|