研究課題/領域番号 |
17590632
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
渡邉 省三 三重大学, 保健管理センター, 教授 (20134934)
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研究分担者 |
垣内 雅彦 三重大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (70214244)
小西 正芳 三重大学, 保健管理センター, 准教授 (00397514)
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キーワード | C型肝炎ウイルス / 試験管内増殖 / IMY-N9細胞 / Huh7.5細胞 / COS7細胞 / 免疫電子顕微鏡 |
研究概要 |
HCV(genotype lb)の全長遺伝子のcDNAをT7RNAポリメラーゼプロモーターの下流に結合した発現ベクターをリポフェクション法でHCV高感受性のIMY-N9細胞に遺伝子導入し、さらにこの細胞にT7RNAポリメラーゼ組み換えアデノウイルスを感染させることによって、細胞内HCV蛋白の発現と細胞培養上清中の高濃度のHCVRNAを検出することができた。 培養上清をショ糖密度勾配遠心法で分画して、HCVRNAとHCVcore抗原の定量測定と電子顕微鏡的検討を行うことによってHCVウイルス粒子の産生を確認してきた。 今年度は、このHCVRNA陽性培養上清を感染材料として、IMY-N9細胞、肝癌細胞株Huh7.5細胞、サル腎由来細胞株COS7細胞への試験管内感染実験を昨年度に引き続き行った。 各細胞培養上清についての検討では、IMY-N9細胞では感染材料添加後48時間まで、Huh7.5細胞では添加後24時間までHCVRNAが陽性であったが、その後は陰性化していた。HCV非感受性の陰性コントロールであるCOS7細胞では感染材料添加後24時間の時点でHCVRNAはすでに陰性化していた。 感染細胞ホモジェネートを用いた細胞内HCVRNAの測定を繰り返し行ったが、HCV感受性細胞と非感受性細胞のすべての細胞において感染材料添加後24時間の時点でHCVRNAは陰性化していて、細胞内でのHCVの増殖を確認できるレベルのHCVRNAを検出することはできなかった。 今回検討したトランスフェクション・インフェクション法によるHCV産生細胞システムは成熟したHCV粒子を産生、分泌していると推測されたが、このHCV含有培養上清を感染材料とした試験管内再感染・HCV増殖系を樹立するためには、より感受性の高い細胞株の開発が必要であると思われた。
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