遺伝子導入骨髄幹細胞を移植して腸の慢性炎症の制御を試みる今回の研究の基礎検討として、本年度は、マウスの系におけるrecipient組織内のdonor由来の細胞をdetectする方法の確立にあたった。雌のBalb/cマウスに放射線照射後、雄由来の骨髄細胞を移植し、腸管におけるその動態を解析した。方法は、in situ hybridization法を用いて、組織内のY染色体をdetectする方法を検討した。その結果、腸管局所において、上皮細胞直下に存在するα平滑筋アクチン陽性の筋線維芽細胞にY染色体をdetectできた。さらに、DSS腸炎の回復期に非常に多くのdonor由来細胞の増加を確認できた。Donor由来細胞のdetect法を確立できたことにより、遺伝子導入した骨髄細胞のマウス腸炎モデルにおける解析の基礎が確立できた。来年度は、さらに、効率的な遺伝子導入法の確立などに専念する予定である。
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