研究課題
本年度は、肝細胞の増殖を亢進させる増殖因子であり、本研究でマトリックスを改変することにより増殖を高める可能性の高い分子であるEGFのクローニングを行った。EGFは、 human cDNAよりPCR法を用いてクローニングした。増殖因子の肝細胞増殖に与える影響について検討を行った。これまでの検討で、EGFR遺伝子の導入により細胞増殖能は1.5倍亢進し、ラット初代培養細胞の分裂寿命が、1:8で継代培養した場合、約2継代延長することが判明している。EGFRの活性化により活性化される細胞内シグナル伝達経路は、既に報告されているとおり、MEK, erk-MAPKの経路であった。昨年度設定した、Westernの系、ルシフェラーゼreporterassayなどが、働くことを再確認した。また、スフェロイド形成能力に影響を与える分子のスクリーニングを行っていく過程において、癌抑制遺伝子の一つであるRUNX 3の遺伝子のクローニングを行い、その細胞内導入により、細胞が凝集し、スフェロイド様の細胞凝集塊を形成することが判明した。今後その作用機序についても解明する予定であるが、RUNX3の遺伝子発現コントロールは、細胞のスフェロイド形成に寄与する可能性が高いと考えられる。現在は、EGFはFusion蛋白の作成を行っている。
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