研究課題
原発性胆汁性肝硬変(PBC)の肝臓移植の際に摘出肝臓より樹立した胆管上皮細胞(BEC)にはCD40の発現やToll-like receptor(TLR)2,3,4の発現があった。BECは抗原提示細胞となりえるかを、自己抗原であるピルビン酸脱水素酵素E2コンポーネント(PDC-E2)163-176アミノ酸残基のペプチドを抗原としてBECにパルス後、PDC-E2 163-176反応性T細胞クローンの増殖能で検討した。同時にIFN-γ、CD40リガンド、TLR2,3,4リガンドで刺激した後のBECを使用したが、BECは抗原提示細胞としての機能を持たなかった。BECはCD80,CD86といった側副刺激分子の発現は認めないが、上記の刺激を加えた後も側副刺激分子の発現は認められなかった。次にBECの標的細胞としての活性が上記刺激の後亢進するかを検討したが、この場合も標的細胞としての機能亢進を認めなかった。最後にBECのケモカイン産生能についてCXCL8、CCL2、CXCL9、CXCL10、CX3CL1、CXCL16の産生を検討した。CXCL8、CCL2については無刺激でもBECからの産生を認めた。CXCL9は上記の刺激では産生しなかった。CXCL10、CX3CL1、CXCL16はTLR3リガンド刺激で産生を認めるようになった。IFN-γ刺激を加えてもその産生は亢進しなかった。以上よりBECには抗原提示細胞としての機能がないこと、IFN-γでの刺激があった際標的細胞となるがIFN-γ以外の刺激を加えても標的細胞としての機能は亢進しないこと、BECにTLR3からの刺激が入った際に特異的なケモカイン産生能を認めることが明らかとなった。
すべて 2006
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