研究課題
Dysadherin (PNAS)は共同研究者であったT Shimamuraらが開発した膵癌に対する新規腫瘍マーカーである(T Shimamura et al.Dysadherin expression facilitate cell motiity and metastatic potential of human pancreatic cancer cells. Cancer Research 2004;64:6989・6995)。今回このマーカーの臨床レベルでの有用性を検討した。最初に46例の膵臓がん手術症例を対症を抗Dysadhevin抗体を用いて陽性率を検討したところ80%の高率であった。またコマーシャルの膵臓癌tissue arrayを用いても同様であった。平成17年度は培養膵癌細胞を用いDysadherin分子のEliza法による微量検出法を行い、膵液採取の簡便性を考え、当院消化器内科で施行したERCPのうち、膵癌患者14例より採取した膵液を調べた。癌細胞を含む膵液採取は困難であり、また残念ながら予想された結果は得られなかった。平成18年度は、前年度の問題点、すなわち癌患者の膵液採取が困難であったことを踏まえ、ERCP施行時の膵液採取と、超音波内視鏡下の膵腫瘍生検(EUS-FNA)による生検組織、十二指腸乳頭部生検組織を用いたアプローチ法に変更した。これらにより確実に細胞を採取し10例の膵癌について検討した。またDysadherin分子の発現を慢性膵炎(10例)、自己免疫膵炎(5例)、膵癌症例(10例)の手術検体においてその発現を検討した。炎症症例で発現を認めず、進行膵癌での特異的発現が認められた。しかしいずれも進行例における結果であり、早期癌での検討は行えておらず、今後の検討課題である
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