研究概要 |
1.H17年度の研究にて明らかになった肝発癌過程における血管新生因子VEGFとAngiotensin-II (AT-II)の関与を臨床に外挿するための基礎的研究として、ACE阻害薬とビタミンK (VK)の同時投与による効果を検討し、併用により単剤より強く肝発癌を抑制することを確認した。 2.ACE阻害薬とVKの併用投与は血管新生とVEGFの抑制効果とほぼ平行するように推移していた。 以上1,2の結果をOncology report 15:155-159,2006に発表した。 3.非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)のラット動物モデルを用いてNASHの肝線維化進展過程に血管新生が必須であることを確認し、Hepatology 44:983-991,2006に発表した。 4.AT-IIとVEGFが相互作用を示しつつ肝線維化進展過程に重要な役割を果たしていることを確認し、そのシグナル伝達経路として血管新生において重要であるとされているPKCを介することを示し、結果をHepatology Research 36:124-129,2006に発表した。 5.ACE阻害剤とPDGF受容体阻害薬が血管新生阻害を伴って肝線維化抑制作用を示すことを確認し、International Molecular Medicine 17:899-904,2006に発表した。
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