研究課題/領域番号 |
17590668
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
消化器内科学
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研究機関 | 奈良県立医科大学 |
研究代表者 |
吉治 仁志 奈良県立医科大学, 医学部, 学内講師 (40336855)
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研究分担者 |
小嶌 秀之 奈良県立医科大学, 医学部, (前)助手 (60326345)
豊原 眞久 奈良県立医科大学, 医学部, 助手 (50336856)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2007
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キーワード | 血管新生 / VEGF / Angiotensin-II |
研究概要 |
本研究では、前回までの基盤研究で明らかにしてきた主要な血管新生因子であるVEGF(vascular endothelial growth factor)の慢性肝疾患進展過程、即ち肝線維化や肝発癌過程における重要性に関する研究をさらに発展させ、他の血管新生因子との関連や既に臨床で使用されている各種薬剤を用いたVEGFを分子標的とした肝疾患治療の可能性について以下の成果を得た。生体内で遺伝子発現を自由に制御可能なTet-systenlとplasmid vectorを同一肝癌細胞に導入することによりVEGFとangiopoetin-2の協調が肝癌発育進展過程において極めて重要な役割を果たしていることを明らかにした。またこのVEGFを中心とした血管新生が慢性肝疾患進展のみならず、急性肝不全後の肝再生においても重要な役割を果たしていることを見いだした。VEGFはVEGFR-2を介して主な生物学的活性作用を示すとされていたが、近年の研究からVEGFR-1も重要な役割を果たす可能性が報告されている。本研究で我々はVEGFR-1がR-2と協調して肝癌の発育においても重要な役割を有することを初めて明らかにした。加えて、近年注目されている非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)の進展過程においてもVEGFと協調したleptinを介する血管新生が重要な役割を有することを見いだした。さらにVEGFに対する分子標的治療のtranslational researchとしてAngiotensin-II(AT-II)がVEGFの産生を強く誘導することに着目し、臨床で広く使用されているAT-II阻害作用を有するACE阻害薬などをIFNやビタミンKと併用することで肝線維化進展や肝発癌を抑制し得ることを基礎的・臨床的に確認した。これらの成果についてHepatology,Gutなどの雑誌に論文発表した。
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