研究課題/領域番号 |
17590693
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研究機関 | 国立国際医療センター(研究所) |
研究代表者 |
土肥 多惠子 国立国際医療センター(研究所), 消化器疾患研究部, 部長 (60250221)
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研究分担者 |
反町 典子 国立国際医療センター(研究所), 消化器疾患研究部・消化管疾患研究室, 室長 (30217468)
水谷 紀子 国立国際医療センター(研究所), 消化器疾患研究部, 流動研究員 (00392390)
川島 麗 国立国際医療センター(研究所), 消化器疾患研究部, 流動研究員 (70392389)
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キーワード | 炎症件腸疾患 / 腹腔マクロファージ / ケモカイン / マウス腸炎モデル |
研究概要 |
1 炎症局所に動員される細胞の同定 マウスにトリニトロベンゼンスルホン酸(TNBS)を注腸して穿孔を伴った全層性潰瘍を誘導し、局所の粘膜固有層、粘膜下層、潰瘍底、漿膜側に浸潤する細胞を同定した。免疫組織化学による細胞の同定:穿孔を伴った全層性潰瘍を誘導後、局所の凍結切片を作製して、マクロファージマーカーCD11b,F4/80及びケモカイン受容体CCR8に対する抗体等で染色した結果、漿膜側にマクロファージの際某凝集の起こっていることが明らかになった。これらのマクロファージはCCR8陽性であった。好中球、Tリンパ球も浸潤が見られたが、マクロファージのように漿膜側に凝集塊を作ることはなかった。 2 急性潰瘍誘導後の末梢血及び腹腔内の細胞構成と活性化状態の変化 炎症を誘導したとき動員される細胞を同定する手段の一つとして、末梢血、腹腔内のマクロファージ、樹状細胞、リンパ球、好中球などの細胞構成とそれぞれのサブセットについて、炎症誘導前後で比較した。この結果F4/80陽性CD11b強陽性の成熟腹腔マクロファージは腹腔内浮遊細胞からは消失し、Gr-1陽性の好中球及びCD11b^<int>Gr-1^<int>の未熟血球系細胞が増加した。 3 細胞交通の解析-動員される細胞の由来の解明 細胞交通の解析のためには、ナイーブマウスから細胞を分離し、これを蛍光ラベルして、別の同種マウスに移植し、TNBS腸炎誘導後の動きを組織切片状で検出した。Single cellレベルで検出するためには輝度が高く、退色しにくい蛍光量子ドット(Quantum Dot, QD)ラベル法を用いる。QDラベルした腹腔マクロファージは腹腔に戻すと、大腸炎症局所、特に穿孔潰瘍の部分に細胞凝集塊を作るが、腸管へ機内へ浸潤することはなかった。これに対して、骨髄由来マクロファージは腸管粘膜固有層、漿膜など炎症部位にびまん性に分布した。
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